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入出庫管理の効率化を実現するための課題解決とポイントについて解説

入出庫管理の効率化を実現するための課題解決とポイントについて解説

 
保管倉庫への入出庫管理は、これまでは担当者の経験や勘、エクセルなどの表計算ソフトで管理していたことも多くありました。しかし、急激に高まる物流へのニーズに対応していくためには、入出庫管理の効率化が避けて通れない課題です。ここでは、入出庫管理に関する情報を整理しながら課題を確認し、より正確で効率化するためのポイントを解説していきます。

入出庫管理とは?

初めに入出庫管理の基本情報を解説します。

入出庫管理の概要

入出庫管理とは、倉庫または配送センターにおいて、入庫した商品や出庫する商品の日付・個数を管理する作業です。「いつ」「どの商品が」「いくつ」出入りしたかを記録することで、正確な在庫管理が実施できます。一般的な管理項目としては、商品名・入庫した日付・出庫した日付・数量などがあり、これらの記録により在庫の動きを確認することが可能となります。
 
入出庫管理業務には、主に以下の3つの作業があります。

  • 入庫:倉庫に入ってきた物品に対して、伝票と実物の照らし合わせや中身の点検、保管場所への仕分けを行います。
  • 出庫:注文リストに従い、倉庫内の保管場所からのピッキング、検品、梱包、出荷伝票との照らし合わせを行います。
  • 在庫管理:保管時におけるロケーション管理、在庫数の変動の確認、賞味期限、消費期限のチェック、棚卸などを行います。

入出庫管理の目的

入出庫管理は、在庫数量の明確化が主な目的です。在庫は企業の資産であり、在庫不明は資産総額が不明であることにつながります。健全な企業経営を続けていく上では、入出庫管理の徹底が不可欠です。
 
入出庫管理が不十分の場合、欠品や過剰在庫を招く恐れがあり、信頼を損ないかねません。欠品による事業キャンセルや、在庫余りによる廃棄ロスは企業にとって大きな損失です。入出庫管理の不備から、企業運営に支障を招くリスクが生じます。的確な入出庫管理は、物流コストの軽減、安定した供給・リードタイムの遅延回避による物流サービス向上につながります。入出庫管理は物流事業を支える、重要な柱の一つです。

入出庫管理の方法

入出庫管理には従来のアナログ的手法から、最新テクノロジーを活用したものまで多様な方法があります。主な入出庫管理方法を簡単に紹介します。

  • 在庫管理表:紙の帳簿に手書きで、入出庫の日付や数量を書き込むスタイル。もっともオーソドックスな方法です。経費がかからず簡単ですが、人為的なミスの発生や管理表の紛失などのデメリットもあります。
      
  • 表計算ソフト(エクセルなど):パソコンなどのアプリケーションを使い、データ入力を行う方法です。アプリケーションとしては、エクセル(Microsoft Excel)が多く用いられています。タブレットなどでも確認でき、情報共有がしやすいというメリットがあります。その一方で、入力ミスが発生する可能性があります。
      
  • バーコード:商品に個別のバーコードを付与し、ハンディターミナルで読み取る方法です。入力によるヒューマンエラーを回避できますが、読み取り忘れが起こる可能性があります。
      
  • 在庫管理システム:在庫管理に関連する業務が自動処理され、データの一元管理が可能となります。人為的なミスの発生はありませんが、導入にはコスト負担が発生します。 

入出庫管理の課題

入出庫管理に関する課題をみていきましょう。

  • マニュアル化されていないと属人化しやすい
    マニュアルにより管理手順が整備されていない場合、作業フローが人によって異なったり担当者が不在の場合に、処理できなかったりするケースがあります。
      
  • 新入社員に対する教育・指導が必要
    入出庫管理をミスなく実施していくためには、知識やルールの習得が必要です。
     
  • 品切れ・過剰在庫の発生リスクがある
    扱う品目数が多種、大量で、倉庫内面積が大きい場合や、十分に保管の整理がなされていない、棚卸作業が不十分といった理由から、在庫の不足・過剰在庫が発生する可能性があります。
      
  • 人為的ミスの発生リスクがある
    記入、入力の間違い、数え違いによるミスが発生する可能性があります。
      
  • リアルタイムでの情報の共有が難しい
    物品の出入りについて倉庫内と倉庫外、また部署間における、リアルタイムでの情報共有が困難な場合があります。
      
  • 棚卸作業に大きな労力が必要
    膨大な数の商品を扱っている場合、入出庫管理担当者だけでは棚卸作業の負担が大きくなります。
      
  • 実在庫と帳簿の在庫数の不一致が発生しやすい
    多種、大量の商品を扱い、日々の出入りが頻繁な場合、実在庫と帳簿上で在庫数の不一致が発生するケースがあります。

入出庫管理の効率化実現に向けたポイント

入出庫管理を適切に行い、効率化するためのポイントを解説します。

管理方法の明確化

異なる担当者で運用にばらつきが出ないよう、入出庫管理のルールを明確にする必要があります。また、担当者が変更してもスムーズに対応できるよう、確認フローのマニュアル化を行い、入出庫管理業務の統一化を図ります。

不備の発見と原因の究明

入出庫管理において、不備を発見できない仕組みは大きな損失につながる重大事です。そのようなことを避けるため、管理表の常時更新を義務付け、在庫との数量の差異を早期発見する体制づくりを実施します。不備が発生した場合には、原因の究明を都度行い、課題点を改善するようにしていきます。そして、差異が複数見つかった場合には、手間を惜しまずに即時棚卸をして全体を確認することが、将来的な大きな損失の回避策となります。

入出庫管理のためのソリューション導入

作業の自動化により、人為的ミスを軽減できます。正確な入出庫管理のための主なシステムやソリューションを紹介します。

  • 自動倉庫システム:入庫、保管、出荷まで倉庫内の全作業工程を自動化できるシステムです。労働環境の悪い倉庫内での省人化を図り、AIやコンピューターにより合理性のある管理体制を実現します。
      
  • 倉庫管理システム(WMS):ロケーション管理や、入出庫に伴う在庫の変動や納品書の作成など、倉庫で行われる業務のマネジメントをサポートするシステムです。目視や人力でのチェックによるミスやエラーの発生を防げます。
      
  • 在庫管理システム:在庫の入出庫や欠品情報をリアルタイムで把握できるシステムです。商品の出入りを監視し、データ上と実在庫の食い違いをなくします。
      
  • ピッキングシステム:倉庫や工場でのピッキング支援を行うシステムです。人手による作業負担を軽減し、業務効率を向上します。
      
  • RFID:タグの読み取りを、電波を用いて非接触で行うシステムです。電波が届く範囲内で複数の商品を一度に読み取れます。
      
  • 在庫管理IoT:商品や棚をインターネットと接続して情報管理するシステムです。現場での確認を必要とせず、データに直接書き込まれるため人為ミスの発生が抑えられます。
      
  • マテハン機器:物流業務を効率化するために用いられる作業機械の総称です。フォークリフトや台車、パレット、コンベア、搬送用ロボット、ソーター、ピッキングシステム、自動倉庫など、各段階における作業効率を向上させます。
      
  • ハンディターミナル、バーコードリーダー:バーコードを商品ごとに付与し、ハンディターミナルで読み取りを行います。帳簿への書き込みや入力の手間がなく、詳細情報もデータ上に保存できます。

まとめ:自社ニーズに合わせた入出庫管理で作業効率改善

かつては紙ベースが主体であった入出庫管理も、時代の流れとともにさまざまなアイテムやツールが登場し、より精度の高い作業が可能となっています。自社における入出庫管理での課題を抽出し、早期に改善策を実施することが大切です。作業環境やコストを考慮に入れ、自社ニーズに適合する入出庫管理の手法を検討していきましょう。 

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