レポート#11:2日がかりの作業が10分で完了!RFIDの活用法とは?
2021年12月16日、「どうやって使う?RFIDでできること」を配信しました。この動画では、RFIDの導入事例をもとに活用方法と導入効果について、弊社 システム販売課の佐野氏が紹介しています。
目次
・RFIDとは―・RFIDの種類
・RFIDを使用するメリット
・活用事例―・専任者が必要な探索作業を標準化
・工程進捗管理の自動化で作業を70%削減
・フォークリフトに乗ったまま在庫管理で作業時間を大幅削減
・まとめ
新型コロナウイルスによる社会活動の変化で、私たちの生活様式は一変しました。依然続くコロナ禍において、その影響は製造現場や物流現場においても例外ではありません。そのような状況で、非接触でモノ一つ一つの動きや状態変化を自動検知できるRFIDは、様々な活用の可能性を持っています。
RFIDとは
RFIDはどのような仕組みで、どのようなことができるのでしょうか。はじめに、佐野氏はRFIDの機能について紹介しています。
RFIDは電波を利用して情報の読み書きを行う仕組みで、近年様々な場面で導入されているといいます。このような仕組みから、RFIDタグ情報を自動で読み取り、データベースと連携しながら管理を行うことができます。佐野氏は「主に倉庫における棚卸業務での一括収集や、ゲートアンテナを使った製造工程管理などで活用されている」と話します。
RFIDの種類
製造や物流現場で主に使用されるRFIDリーダは大きく分けて2つあります。ゲートタイプに代表される固定タイプと、持ち運びができるハンディタイプです。
まず佐野氏は、ゲートタイプについて紹介しています。ゲートタイプとは、ゲートを通過したものを瞬時に読み取るRFIDリーダです。バーコードや目視による確認が必要なくなり、ゲートを通過するだけでチェックが可能になります。たとえば、入出庫ゲートに設置することで、自動で読み取り、外部システムと連携することができます。ただし、ハンディタイプに比べて設置の手間やコストが掛かることが挙げられています。
次に、ハンディタイプについてです。ハンディタイプは棚卸のように、棚に保管された製品の情報を読み取るといった業務に適していて、店舗や倉庫での商品探索や在庫管理に向いているといいます。
RFIDを使用するメリット
RFIDを使うことで、どのようなメリットがあるのでしょうか。佐野氏は、バーコードと比べて、情報一括収集ができることを挙げています。バーコードの場合、一つ一つの商品を確認しながら読み取るため、作業に時間がかかってしまいますが、RFIDは一括読取りができるため、業務負荷を大きく削減することができます。佐野氏は「特に大量の情報を一括収集する必要がある業務では大きな効果が期待できて、うまく使えば工程が無くなるほど効果があるため、省力化・省人化にもつながる」と話します。
活用事例
ここからは、具体的な活用事例についての紹介です。RFIDをどのように活用して、どのような効果が得られたのか、みていきます。
専任者が必要な探索作業を標準化
はじめに、保全部品の付帯作業を改善した事例です。製造工場では設備の保守を行うために部品や消耗品を保全部品として在庫しています。しかし、それら保全部品は本来の生産業務に必要なものではないので、その管理システムを予算として確保することは難しく、どうしても手軽な台帳などを利用した方法です。佐野氏はこの事例について「部品の管理ができておらず、探索は専任者が必要な作業になっていた」と話します。
そこでRFIDを導入し、より幅広い人が保全業務に携われるような標準化を目指しました。RFIDの探知機能は、あらかじめ探したい部品のデータをRFIDリーダに入力すると探知機のように利用でき、目的の部品の近くにくると音で知ることができます。また、部品が箱に入っていても電波を通すので探索が可能です。
工程進捗管理の自動化で作業を70%削減
次に、佐野氏が紹介しているのが製造業の企業様です。工程進捗における管理工数を削減したい、また、これをRFIDを活用して自動化したいといったご相談がありました。工程進捗の管理に大きな課題感を持たれており、当時の運用体制としては、紙媒体の指示書をバーコードで管理する運用方式だったといいます。
そこで、運用体制と費用対効果を検討して、各工程にハンディタイプのRFIDリーダを導入。その結果、製品がたくさんあっても、一括で読み取ることができるようになり、進捗管理に関わる読み取り作業を70%以上削減することができたといいます。
さらに、作業前に一括での情報収集が可能となったことで、入力作業が簡素化され、リアルタイムでの進捗管理が可能に。これにより、作業者が意識しなくても、情報が蓄積されていく工程進捗の自動化が実現しました。
また、特定の製品を探す際に半日以上かかっていたところ、RFIDの探知機能により短時間で特定することができるようになりました。
フォークリフトに乗ったまま在庫管理、作業時間を大幅削減
最後に、製造業の企業様の事例です。当時は製品の在庫管理ができておらず、棚卸にも多くの時間がかかっていることから、今後はRFIDを活用していきたいという相談があったといいます。また、1パレットで数百にもおよぶ製品を、フォークリフトに乗ったまま在庫管理したいというご要望でした。
そこで、製造ラインと在庫置き場入口の間に、ゲートタイプのRFIDリーダを設置。導入したのは、通過時の方向によって入庫・出庫を検知するタイプです。フォークリフトに乗ったままゲートを通過することで、在庫計上と引き落としが自動的に行われる仕組みになっています。ゲートタイプは棚卸での活用が難しいため、ハンディタイプも導入。棚卸ではRFIDタグを目視する必要がなくなり、作業時間を大幅に短縮できました。
導入効果として、7名で2日程度かかっていた作業が、1名で10分程度で終えることができるようになりました。ゲートを通過するだけで在庫計上がされるため、現状の作業手順のまま在庫管理ができます。棚卸においては複数のRFIDタグを一括で読み取るため、作業時間が大幅に削減され、人員を減らしてコストを削減することができました。
まとめ
今回の活用事例から分かるRFIDのメリットについてまとめます。
・数量管理によって在庫精度の向上が期待できる
・意識してデータ収集をすることがなくなり、管理工数の削減ができる
・探索機能で欲しい製品の位置を特定することができる
・手の届かない場所や箱の中にあるRFIDタグも読み取りができる
保全部品の管理は、本来の生産業務の裏で行われ、専任者が必要な作業となりやすいです。RFIDは、このような製造現場のバックヤードで活躍します。そして、担当者のカンやコツに頼らず、より幅広い人が保全業務に携われるよう標準化されることで、現場の改善が期待できるといえます。
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