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レポート#10:作業効率が6倍アップ!梱包業務を自動化する考え方

レポート#10:作業効率が6倍アップ!梱包業務を自動化する考え方

 
2021年11月25日、「物流テックで現場が変わる!包装機ソリューションとは」を配信しました。この動画では、梱包業務を自動化するシュリンク包装とは何か、どのような効果があるのか、お客様の事例を交えて物流企画課の下城氏が紹介しています。  

目次

・シュリンク包装とは―・シュリンク包装のメリット
           ・包装機の種類
・提案事例紹介
・よくあるご質問
・導入検討する際の5つのチェック項目
・まとめ

シュリンク包装とは

物流分野では、透明のフィルムで商品をパッケージすることを「シュリンク」または「シュリンク包装」といいます。「シュリンク」は、英語で「縮む」や「縮小」という意味があります。下城氏は「シュリンク包装は熱を加えると縮むフィルムの性質を利用して、容器の形に沿って収縮させる包装のこと」と話します。そしてシュリンク包装の例として、箱に入れずにフィルムでまとまったペットボトルや、通販で届いた箱の中身がフィルムでダンボールに固定された状態を例に挙げています。
 
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シュリンク包装のメリット

メリットは主に①デザイン性②製品の保護③作業の効率化の3つがあります。下城氏は「そのなかでも注目のメリットは③作業の効率化」と話します。
 
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③作業の効率化に注目する理由について、下城氏は「何と言っても、包装作業が楽になる」と話します。例えば、緩衝材を倉庫から持ってきて用意したり、ダンボール箱の中に詰めたり、袋に入れてテープ止めをするなどの包装工程をシンプルにすることが可能です。つまり、包装作業に時間がかからないことが最大のメリットといえます。

包装機の種類

次に下城氏は、シュリンク包装機の種類を挙げています。シュリンク包装する機械は「トンネル式」と「ドライヤー式」の大きく分けて2つです。対象となる製品の大きさ、形状などによって使う機械が変わってきます。
 
・トンネル式シュリンク包装機
フィルムで包んだ製品を熱風が吹いているトンネル内に通すことによって収縮させる方法です。均一に熱を当てられるため、ドライヤー式に比べると綺麗にシュリンクすることができます。
 
・ドライヤー式シュリンク包装機
工業用ドライヤーを使って、製品一つひとつを包装する形態です。導入コストが低く複雑な形状にも対応できますが、シュリンクするのに少し手間が掛かります。
 
トンネル式シュリンク包装機はこのあとに紹介している事例でも導入されている包装機です。下城氏は、この包装機のメリット、デメリットについて説明しています。
 
トンネル式シュリンク包装機の『メリット』としては、
・大量生産に向いている
・シーラー機と連結でき、ライン運用ができる
・細かな熱量調整が可能
・ドライヤー式に比べるとシュリンクのムラが少ない
 
このようなことが挙げられています。
 
そして、一方の『デメリット』としては、
・導入コストが高い
・トンネル内に入る製品しか対応できない
・場所を取る
 
このような点を挙げており、メリットとデメリットのどこを優先して改善効果の最大化を図るかが重要といえます。

提案事例紹介 

次に下城氏は、実際にシュリンク包装機を導入していただいた企業様を3社挙げて紹介しています。
 
事例①:包装作業が5名→1~2名に!作業効率6倍アップ
最初に紹介しているのが介護用品を取り扱う会社様です。
 
同社が梱包工程において持っていた課題として、介護ベッドの部材、車椅子など人手作業による包装数量への対応、処理能力の限界というところがありました。また、ワークが大きい、重たいなど、作業者が限定され、業務標準化ができない状況でした。
 
まず、機器選定をするにあたっては、効果最大化を目指しました。そして「数量が多いもの」「作業の手間がかかっているもの」を対象とします。さらに対象製品を機器能力、コストから絞り込んで、対応可能な機種を選定。包装ライン構想は、作業性、作業環境、運用、コストから仕様を確定していったといいます。
 
包装機導入により、人手をかけることなく処理能力も向上し、包装作業の効率化を実現しました。具体的な効果としては、これまで5名程度で包装作業を行っていたところ、対象製品において、1名~2名で作業できるようになりました。さらに、処理スピードが個当り平均1/6となり、作業効率としては約6倍~8倍に向上しました。
 
下城氏は「今後は包装する対象製品をさらに増やしていくなど、更なる効果が出せるよう取組みをして、車椅子など一部の大型製品にも対応できる大型機の検討も進めています」と話します。
 
 
事例②:手作業による包装形態のバラつきを抑制し、標準化に成功
次に紹介しているのは、自動車関連の商品を製造販売する企業様です。
 
導入前の課題として、同社では1梱包ずつ手作業で梱包していました。仕上がりはきれいだけど、納品先が自動車部品製造メーカーなことから、納品後、即開梱される運用であったため、過剰品質ではないかと考えられていました。また、そのような手作業ゆえの人による梱包数量のバラつき、包装形態のバラつきが発生していること、資材費の低減をしたいという相談があったといいます。
 
まず行ったことは仕様の確定です。顧客設備仕様書、安全基準書類を展開していただき、どこまで準拠すべきか、必須事項、メーカー標準で対応できる項目を仕分けていきます。最終的には、コストの取り纏め、導入効果の試算をおこない、最終仕様を構築していきました。
 
包装機導入後、自動機での包装が標準作業・標準荷姿として承認されています。そして、シュリンク包装機を活用した業務運営が定着しているといいます。
 
 
事例③:作業者を半減し、防湿紙からフィルム包装への変更で10%の資材費削減
最後に、フォーム材の製造加工をおこなっている会社様の紹介をしています。
 
同社では製造から、梱包、出荷工程に至るまで、かなりの部分で人手作業があり、工数の削減は常に改善テーマになっている状況でした。また、大判ワークの出荷包装工程を改善、包装工程の工数削減、包装資材のコスト低減などの観点を持たれていたといいます。
 
導入に至るまでのプロセスとして、まずワークサイズと出荷単位、タクト情報から包装機メーカーの選定および技術の確認をしました。次に、フィルム包装機にした場合の運用イメージ、現状のポリエチレンクロス紙、いわゆる防湿紙からシュリンク包装のフィルムに変更した場合のランニングコストの変動を試算。その後、シュリンク包装機の仕様と作業運用を具体化していき、導入コストの算出、フィルムの選定を行い、資材費の比較を行っていきました。
 
導入後の効果としては、包装工程の工数削減が実現できており、以前の防湿紙による梱包からフィルム梱包へと出荷荷姿の変更が順次進められています。作業員数は、従来の2名体制から1名のオペレーター運用になり、作業工数も削減できました。資材費は従来の防湿紙からフィルム包装にすることで、約10%の削減が実現できているといいます。

よくあるご質問

次に、よくあるご質問に下城氏が回答しています。
 
――使い方は難しくないでしょうか?
難しくありません。どなたでも問題なくご使用いただけます。納品時にはしっかりと使用方法や調整方法などについてレクチャーいたしますのでご安心ください。
 
――包装機内に消耗部品はありますか?
カットの刃、カットの刃を受けるゴム、受けるゴムに貼るテフロンテープが一般的になります。
 
――包材は何でもよいのでしょうか?
シュリンク専用のフィルムがございます。フィルムの種類につきましては、PP(ポリプロピレン)、PO(ポリオレフィン)、PE(ポリエチレン)などがあり、用途・目的やシュリンク包装機の機種によりフィルムの選定が変わってきますので、お客様のご要望に応じたご提案をさせていただきます。
 
――シュリンク包装に不向きなものはありますか?
薄くて軽くて柔らかい物、シュリンクした際に反ってしまう場合がある物、商品に直接フィルムが付いてはダメな物、製品寸法がランダムな場合などはシュリンク包装に適しません。

導入検討する際の5つのチェック項目

最後に、下城氏はシュリンク包装機を検討する際の5つのチェック項目について話しています。
 
1. 包装する製品と性質
2. 包装する製品のサイズ
3. どんな包装の「かたち」にしたいか
4. ご希望のパック数
5. 設置スペース・電源容量・搬入スペースなど
 
包装機の導入は、包装したい物によって適している機械やフィルムの種類が異なってくるため、この5つの項目をあらかじめ考慮し、それぞれ選ぶ必要があります。

まとめ

シュリンク包装機導入により、改善可能な課題についてまとめます。
 
・人手不足の問題を改善したい
・包装工程の改善をしたい
・資材費、人件費の削減をしたい
 
シュリンク包装機を導入することで、人手をかけることなく処理能力を向上させ、包装作業の効率化を実現することができます。このようなソリューションは、製造工程の効率化や在庫管理など、物流全体を見つめ直すきっかけとなり、現場がさらに改善していくのではないでしょうか。
 

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