レポート#4:テープの強さが気になったので研究しました!
現場作業の周りで起こるあらゆる「困った」を解消するべく、とことんトライして本音をレビューしていくトヨコンラボが発足。トヨコンラボでは、徹底的なユーザー目線で本音をレビューします。第一回目は梱包テープのあるあるな悩みを解決します。
多すぎる種類から絞り込むのは大変、どれも似ていてどんな違いがあるのかわからない、という悩みを解消するべく、現場作業を経験してきた研究員に扮する社員が、いくつかのテープを使いながら、本音でその良し悪しを研究していきます。
―目次―
研究方法
研究基準の設定―・重量ボーダーラインを決める
・側面テープの長さ
・使用する梱包資材
・研究内容
研究―・側面テープの長さ20mm
・側面テープの長さ50mm
・クラフトテープ
・クラフトテープとOPPテープ(24kg)
・番外編:百均の手で切れるテープと音が静かな手で切れるテープ
まとめ―OPPテープは重量物の梱包に対応できる
梱包作業で使うテープは「OPPテープ」「クラフトテープ」「布テープ」などがありますが、特に「OPPテープ」は厚みや幅の違いあります。種類が多すぎて何を使ったらいいのかわからない、どんなテープがどんな梱包物に向いているのか、といったちょっとした疑問を研究していきます。
まずは注文して届いたOPPテープを机の上に並べていきます。
細井「こんなに厚さで種類があるんですね」
高柳「そうそう、そうだよね」
細井「これが厚さ0.052mmです」
高柳「0.052!?また細かいね」
細井「これが0.062です」
高柳「0.01厚いだけなんだ!」
研究員たちはOPPテープの細かい厚みの差に驚きつつ、0.01mmの違いでどんな差が出るのか、わくわくしています。
研究方法
①2ℓのペットボトルをダンボール箱に詰める
②厚みの異なるOPPテープでダンボール箱の蓋を閉じる
③ジャンプしたり落下させたりする
④テープの耐久性を確認する
研究基準の設定
研究基準1:重量ボーダーラインを決める
研究を始める前に、基準となる項目を確認します。一つ目の基準決めは重量です。何kgの重さでの研究が妥当か見ていきます。ダンボール箱へ入れる2ℓのペットボトル1本の重さは2㎏。入れる本数を増やすことで、重量を2㎏、8㎏、16㎏と増やしていき、重量ボーダーラインを調べます。
16㎏あるダンボール箱を持ち上げたところで、OPPテープは問題なく耐えましたが、ダンボール箱が変形寸前でした。重量のボーダーラインは16㎏に設定します。
研究基準1:16㎏に対してOPPテープが耐えられるか研究
研究基準2:側面テープの長さ
この確認中、ふとした会話からある疑問が生まれました。
細井「貼った側面テープの長さ普通ですか?
普通の長さはもう少し長いですか?」
高柳「そう、これは普通より短い」
側面に貼ったテープの長さに対して短く感じ、研究員たちは側面に貼る適当な長さについて気になりました。調べてみると、側面テープの長さの目安は、50mmいうことが判明しました。そこで、目安よりも短めの側面テープの長さ、20mmと目安とされている50mmでは耐久性の違いはあるのか、急遽研究基準2として追加しました。このようにトヨコンラボは細かい台本がありません。流れに任せて気になったことを研究していきます(笑)
研究基準2:側面テープの長さは20mmと50mmではOPPテープの耐久性に違いがあるのか研究
研究方法をまとめると以下の通りです。
使用する梱包資材
ダンボール箱2種類
・シングル厚み約5mm(Aフルート)
・ダブル厚み約8mm(ABフルート)
OPPテープの厚さ3種類
・0.052mm
・0.062mm
・0.09mm
研究内容
・重量16㎏となる、ペットボトル8本を2種類のダンボール箱へ入れる
・ダンボール箱の天面と底面へ同じ厚みのOPPテープを使用
・側面へ貼る長さを20mmと50mmに設定
・①持ち上げ②ジャンプ③落下の3工程でOPPテープの耐久性を研究
それでは研究を始めていきます。
研究
側面テープの長さ20mm
側面テープが基準よりも短い場合、使うOPPテープはどの厚さなら耐えられるのか研究しました。
結果
厚さ0.062mm以上のテープを使えば、シングルのダンボール箱に耐えられることが分かりました。
では、「持ち上げ」「ジャンプ」「落下」の研究をしたそれぞれの詳細を見ていきます。
・厚さ0.052mmのOPPテープ
持ち上げ
まずは厚さ0.052mmのテープの研究です。持ち上げるだけなら、シングルのダンボール箱で成功します。
一方ダブルのダンボール箱は、持ち上げてすぐ「パンッ」という音がして、底面を留めたOPPテープが弾けて剥がれてしまいました。
ジャンプ
続いて、シングルのダンボール箱を持ってのジャンプは成功です。しかし、テープは剥がれるギリギリのところです。
落下
ジャンプで危うかったOPPテープは、落下させると天面に貼ったOPPテープがちぎれてしまい、さらにダンボール箱も破れてしまいました。
まとめ:側面テープ20mmで厚さ0.052mmのテープではジャンプまでしか耐えられませんでした。
ダブルのダンボール箱は持ち上げるだけで剥がれてしまいました。
・厚さ0.062mmのOPPテープ
持ち上げ
シングルのダンボール箱は危なげなく成功です。ダブルのダンボール箱は、厚さ0.052mmでの研究同様、持ち上げてすぐに「パンッ」と音を立て、底面に貼ったOPPテープが剥がれてしまいました。
ジャンプ
シングルのダンボール箱はジャンプに耐えましたが、ペットボトルの重さで底面のフタが少し開き気味です。底面のテープは厚さ0.052mmでの研究同様、剥がれる寸前です。
落下
厚さ0.052mmのOPPテープではちぎれて、破れてしまったシングルのダンボール箱を落下させたところ、剥がれることはありませんでした。ここで、厚さ0.01mmの差が表れました。この結果に、
高柳「こんなに違う!?同じ20mmだよね!?」
と疑いはじめ、メジャーで測り直します。
再度確かめて、0.01mm厚いだけで強度が高くなることが分かりました。
まとめ:厚さ0.062mmのテープはシングルのダンボール箱なら、落下しても破れることなく耐えられました。
・厚さ0.09mmのOPPテープ
研究を始める前、研究員たちは厚さ0.09mmのテープを触りあって「全然ちがう!」「おー!」と厚みの違いに盛り上がります。シングルのダンボール箱は、厚さ0.062mmのテープに耐えることが分かったため、厚さ0.062mmで耐えられなかったダブルのダンボール箱で研究します。
持ち上げ
すぐには剥がれませんでしたが床に下ろす直前、底面のテープが剥がれてしまいました。
まとめ:ダブルのダンボール箱には、テープを厚くしても側面テープの長さ20mmでは梱包に不十分。
側面テープの長さ50mm
基準の側面テープの長さ50mmなら、テープの厚さに関係なく耐えられるのでしょうか。
結果
側面テープの長さ20mmで一度も成功しなかったダブルのダンボール箱から研究したところ、最も薄いテープでも重さに耐えることができました。よって、厚さ0.062mm以降のテープとシングルのダンボール箱での研究は省略しました。
では、それぞれの研究内容を見ていきます。
・厚さ0.052mmのOPPテープ
持ち上げ
伸びたり外れたりすることもなく、しっかり貼り付いていました。
ジャンプ
薄いテープでダブルのダンボール箱ということで、研究員は「パンッ」と剥がれてしまわないかびくびくしますが、ここは危なげなく耐えました。
落下
重みでダンボール箱の底がへこみましたが、テープに変化はありませんでした。
まとめ:側面テープの長さ50mmであれば、薄いOPPテープでもダブルのダンボール箱に耐えられる。
クラフトテープ
薄いOPPテープでも側面テープの長さが50mmあれば重さに耐えられることが分かり、研究員たちは次に、クラフトテープではどうなのか気になりました。
OPPテープと同様に側面テープの長さ20mmと50mmに分けて「持ち上げ」「ジャンプ」「落下」で研究しました。ただし、使用するダンボール箱はシングルよりもテープの強度が必要なダブルのダンボール箱で研究します。
結果
なんと、側面テープの長さ20mmでもダブルのダンボール箱の落下に耐えることができました。クラフトテープはOPPテープより強度がないと思っていた研究員には驚きでした。側面テープの長さ50mmでも、クラフトテープは剥がれることも破れることもしませんでした。
研究内容を見ていきます。
持ち上げ・ジャンプ
持ち上げとジャンプでテープに変化はありませんでした。
落下
側面テープの長さ50mmで留めたテープを落下させたところ、破れることはしませんでしたが、底面のテープが浮いてフタに隙間ができてしまいました。結果としては、時間が経過したら重さでフタが開いてしまう可能性もあるため、成功とは言えません。
まとめ:側面テープの長さ20mmでもダブルのダンボール箱に耐えた。
側面テープの長さ50mmでは、衝撃を加えるとテープが浮いて隙間ができてしまう。
クラフトテープとOPPテープ
研究員たちはOPPテープとクラフトテープの強度の高さを実感し、16kgよりも重くても耐えられるのでは?と予想します。そこで、中のペットボトルの本数を4本増やして、どちらのテープが強いのかを研究することにしました。重量24kg、側面テープの長さ50mmで梱包して耐久性をみていきます。
結果
OPPテープの方が重量物に対して強度が高かったです。クラフトテープは落下でテープが破れ、ダンボール箱も破れてしまいました。
それぞれの研究内容を見ていきます。
持ち上げ・ジャンプ
クラフトテープもOPPテープも伸びたり剥がれたりすることはありませんでした。
落下
クラフトテープで留めた箱を落下させたところ、テープがちぎれて中身が飛び出しそうになってしまいました。
OPPテープは落下に耐えましたが、目を凝らすとテープが中央に寄ってしわになり、少なからずダメージを受けていました。
まとめ:クラフトテープよりOPPテープの方が重量物に対して強度が高い。
番外編:100円ショップの手で切れるテープと音が静かな手で切れるテープ
研究を重ねていくうちに「カッターを使わずに手で切れたら楽だよね」という会話から、手で切れるテープでも研究することにしました。また、OPPテープは薄くても重量物に耐えられましたが、それは使ったテープの質が良いからでは?と思い、100円ショップのOPPテープを一種類購入しました。
そして、もう一つ用意したOPPテープは、手で切れることに加え、音が静かなタイプです。OPPテープは引っ張る際、「ビー!」という音が気になりますが、このテープは、その音を抑えます。
結果
100円ショップのテープでも強度があることが分かりました。しかし、音が静かなテープは、テープが伸びて白くなり、切れる寸前でした。
研究内容を見ていきます。
どちらも手で切れるテープのため、まずは切れ味を比べてみました。100円ショップのテープは簡単に手で切れますが、切り口が斜めになってしまい見た目が悪かったです。一方、音が静かなテープは、簡単に切れる上に切り口もまっすぐで綺麗でした。
持ち上げ・ジャンプ
100円ショップのテープは、厚さ0.052mmのテープと同じ強度がありました。しかし音が静かなテープは切れ味が良い分、白く変色して伸びてしまい切れる寸前でした。
まとめ:どちらも簡単に手で切れたが、切りやすい分、重さに対する強度は下がる。
研究まとめ
OPPテープは重量物の梱包に対応できる
側面テープの長さ20mm
・シングルのダンボール箱を使う場合、テープの厚みがあれば梱包の強度が出る
・ただし、ダブルのダンボール箱は側面テープの長さ20mmでは耐えることができない
側面テープの長さ50mm
・テープの厚みが薄くても強度がある
・ダブルのダンボール箱に対しても、同様に薄くても強度がある
クラフトテープ
・側面テープの長さが20mmでも、ダブルのダンボールに耐えることができた
・ただし衝撃を加えるとダンボール箱のフタに隙間ができてテープが緩くなる
クラフトテープとOPPテープ
・OPPテープの方が重量物に対しての強度がある
今回はテープの単純な強度を研究したかったため、全ての梱包でテープ留めをI貼りで統一しました。本来であれば強度を上げるために、H貼りにする、側面テープを長めに貼るなどの梱包をします。そのため、今回重さに耐えられなかった方法のテープ留めは、H貼りなら耐えられる可能性もあります。しかし、この研究を通して、OPPテープは薄くても、I貼りで高い強度があることが分かりました。引き続き、現場作業の周りで起こるあらゆる「困った」を解消するべく、とことんトライしていきます!
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