前回で「イベントに対する考え方」が決まりました。課題も、原因も、やるべき方向も見えている。
あとは、それをどう形にするか。第5回は、その過程の話になります。
頭の中で色々考えつつ、一つずつ紙に書き出しました。
【我々が伝えたいのは何か?】
→それは「物流・包装の現場で、顧客の課題解決をしている会社である」ということ。
【じゃあ、参加者が求めているものは何か。】
→説明を聞くことじゃない。体験すること。学びだったり、楽しさだったり、「自分が関わった感覚」。
それから、嫌というほど分かっていたことですが【子どもだけが楽しい、で終わってはいけない。】
→親も一緒に関われないと意味がない。
この三つを同時に満たすものは何だろうか。しばらく紙を見ながら考えていて、ふと頭に浮かびました。
「……だったら、仕事をそのまま体験してもらえばいいんじゃないか?そう、お仕事体験です。
いきなり「面白い企画を考えよう」としていたら、たぶんこの答えには辿り着かなかったと思います。
課題を分解して、原因を考えて、「ここだけは外せない」という条件を並べていった結果、
視線が自然とそこに集まった、という感覚でした。
方向が決まると、次は具体です。物流の仕事を体験してもらうとして、子どもが見た瞬間にワクワクするものは何か。
真っ先に浮かんだのが、フォークリフトの運転体験でした。
とはいえ、実物を使うわけにはいきません。じゃあミニチュアはどうだろう。
調べてみると、フォークリフトのラジコンがちゃんとある。
気づいたら、Amazonでポチっていました。(ええ、もちろん実費です)
届いたラジコンを触ってみて、すぐに思いました。
……あれ、これ、意外と難しいぞ。
パレットに差すだけなのに、思ったようにいかない。大人でも苦戦する。
でも・・・・めちゃくちゃ面白い!
しかしながらこのままだと、低学年の子には明らかに難しいのも事実。
それに、フォークリフトって、正直、男の子寄りだよな……女の子は楽しめるだろうか。
一瞬、「やっぱりダメか?」とも思いました。でも、触っているうちに考えが変わります。
これは失敗じゃない。まだ作り切れていないだけだ。
じゃあどうするか。難易度を分けたらどうだろうか。
初級・上級・鬼。できる子は難しい方に行けばいいし、そうじゃない子もちゃんと参加できる場所を用意する。
高難易度であれば大人も本気で挑戦できる。
ただ、初級は難易度が低い分フォークリフトを触る時間が短くなる。それだけだと体験が薄くなってしまう。
じゃあそれ以外の体験も用意したらどうだろう。例えばピッキング作業とかはどうだろうか?
指示書を渡して、同じものを探す。スマホでQRコードを読んで、合っているかを確認する。
そこに、少しだけなぞなぞやユニーク要素を入れる。
これなら、操作が難しくなくても楽しい。考える余地がある。年齢も、性別も、関係ない。
なぞなぞは対象年齢が低いが、そこに隠し要素でユニークさを入れれば大人も楽しめる。
この構造を考えているとき、自分が営業だった頃のことを思い出しました。
最初から何でも分かっていたわけじゃありません。分からないことを先輩に聞いて、失敗して、
サプライヤーさんに助けてもらって、お客さんと一緒に考えて、少しずつ前に進んできた。
このイベント企画もたぶんそう。
子どもが分からないことを、親に聞く。親も一緒に考える。
それでも分からなければ、我々がサポートする。
これ、普段やっている仕事と、まったく同じじゃないか。
フォークリフト操作で「楽しい」をつくる。課題に向き合うことで、親子で「学ぶ」。
この形なら、我々が伝えたい価値も、参加者が求める体験も、全部ここにある。
こうして具体化されたのが、ミニチュア物流倉庫での物流お仕事体験【OZiLAB kids】企画です。
そしてどんな企画でも「やる事」が目的になってはいけない。
イベント後に親御さんに満足度を聞く。それと同時に、「トヨコンについて」も聞いてみる。
ここに返ってくる言葉がきっとこの企画の答えであり、企画の目的になるのです。