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【インタビュー】物流システム導入で解決!人的ミスの削減、業務効率の向上

【インタビュー】物流システム導入で解決!人的ミスの削減、業務効率の向上

ヒューマンエラー対策や作業レベルの標準化など、物流システムを導入することによって得られるメリットは多岐に渡ります。そこで今回、システムの導入を成功させるために必要なポイントについて、株式会社トヨコン  営業部 システム販売課秋元累氏に話を聞きました。

 

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顧客の要望に合わせてシステムを構築

秋元氏の所属するシステム販売課は、物流業及び製造業、食品メーカーなどの業種の物流業務を支援するため、ハードウェアやネットワークを使用したITシステムを提供しています。

メインで使用されるハードウェアは、ハンディターミナルと呼ばれる機器。上部にディスプレイ、下部にキーボードがあり、背面にバーコードを読み取るカメラが付いている、いわゆるバーコードリーダーと呼ばれるものです。

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ヒアリングを重ねて顧客の課題を引き出していく

提案する内容は、顧客からの要望や課題をヒアリングし、1からシステムを構築するケースがほとんど。既存のパッケージをカスタマイズして提供する場合もありますが、それは全体の2割ほどです。

前者について、秋元氏は「お客様によっては『こんなシステムがいい』という具体的なイメージがある場合もありますが、多くは『こんなことで悩んでいるんだよね』と、ざっくりとしたご相談をいただくことが多いです」と話します。

そんな相談をきっかけに、ヒアリングと打ち合わせを重ね、顧客が言葉にできていなかった課題を引き出していきます。場合によっては、この打ち合わせに1~2ヶ月もの期間を要することもあります。

このようにして浮かび上がってきた課題に対し、社内で解決策を検討して顧客の希望に添う形のシステムを提案します。そして合意が取れた後は、設計・開発というものづくりの段階へ入ります。システムを完成させ、無事に顧客へ納品した後は、アフターフォローを行うという流れになります。

後者の既存のパッケージを提供する場合、ハンディターミナルとパソコンを使った自社開発の在庫管理システム「シンプルパック」が中心です。また、顧客の課題や要望に合わせて、他社が開発したパッケージを代理店として販売することもあります。

 

物流の現場が抱える課題

物流の現場から寄せられる相談は、誤出荷などのヒューマンエラーの対策、業務の効率化、作業レベルの標準化という3つにまとめられると秋元氏は指摘し、次のように続けました。

「これらの問題は、課題に対応するシステムを導入することで解決できます。とはいえ、企業によってそれぞれ独自の作業方法があるので、詳細なヒアリングのうえで、お客様が一番作業しやすい形での業務改善を提案する必要があります」

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物流システムの導入事例

ここで、物流システムの導入事例について紹介します。

ティーバッグを製造しているメーカーから、秋元氏は「誤出荷と、それに付随する問い合わせ対応にかかる人的コストを削減したい」という相談を受けました。

この顧客は、販売管理や出荷指示の部分は既にシステムが導入されていたものの、その後の出荷作業に関しては、スタッフが目視で作業をしていました。

「そこが誤出荷につながってしまう原因でした。ご依頼があった誤出荷の防止と、人が行っている作業の標準化がこのお客様の課題でした」と秋元氏は指摘します。

解決策として、秋元氏は無線のハンディターミナルを利用したピッキング検品システムの導入を提案しました。これは、注文された出荷指示の内容をハンディターミナルで読み取り、作業者はその指示通りに動かなければエラーが出るという仕様のシステムです。

このシステムを導入するにあたり、それまで紙で発行していた指示書を完全にデジタル化。さらに、これを期にバーコードを発行するようになり、全ての在庫をこのバーコードで管理するようになりました。

この顧客からのフィードバックについて、秋元氏はこう語ります。

「誤出荷もなくなり、最初にご相談頂いた人的コストも大幅削減に成功。お客様から『作業スピードが60%ほど向上した』という声をいただきました。このお客様は当時、業績がとても向上している段階で、一方で残業も増え、時には作業が深夜に及ぶこともあったそうです。このシステムを導入したことで残業もなくなり、とても喜んでいただけました」

物流システム導入を成功させるための4つのポイント

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このように物流システムの導入を成功させるために、するべきことが4つあると秋元氏は説明します。

  1. 導入する目的を明確にする
  2. 現状どのような作業をしているのか、どこに課題があるのかといったような現状の業務分析をしっかり行う
  3. 実際システムを使うクライアントの現場の方との連携
  4. トヨコン開発チームとの連携

 

目的を明確にしておかないと、本来の目的を見失ってあらぬ方向にいってしまうということもあります。また、顧客から「このような機能が欲しい」と相談を受けたものの、ヒアリングを重ねるうちに「本当にその機能は必要ですか?」という疑問が生じ、より目的に適した機能を提案できる場合も。

この4点は、物流システムの導入だけでなく、あらゆるシステムを導入する際にも重要なポイントです。

 

トヨコンだからこそできる、物流の課題解決

このような物流システムの提案力に加えて、商社機能があることがトヨコンの強みであると秋元氏と言います。

「例えば、資材を販売しているお客様にヒアリングをした際に、システムに関する要望が出てくることがあります。この場合、弊社は我々システム部隊がいますので、すぐに駆けつけることができる。逆に、システムを納品しているお客様から、『こんな資材が欲しい』という話があれば、すぐに資材を提供できます」

さらにトヨコンは倉庫業も請け負っており、グループ会社にはトラック運送会社もあります。秋元氏は「我々システム販売課で、倉庫から配送まで一括してシステム構築をすることも可能です。いろいろな課題を多方面から解決できるというのがトヨコンの強みですね」と力強く語りました。

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新しい技術をどんどん取り入れていきたい

システム販売課では現在、冒頭で触れた「シンプルパック」の次の段階となる、大規模な顧客をターゲットにしたパッケージを考案しています。具体的には、物流会社の社内で使えるような入出庫や在庫管理などを含めた、汎用的な倉庫管理のシステムをイメージしています。

また、時代が進むにつれ、技術もどんどん進化していきます。物流システムの現場でも、ロボットとRFIDはこれから重要なポイントになってきます。秋元氏はその展望について、このように語りました。

「ロボットとの完全な連携というのは難しいかもしれませんが、ロボットから引き出せるログ……例えば何時間、どれくらい動いて、とか、そういった情報をシステムに活かすということが可能になると思います。また、最近話題のRFIDの導入も検討していきたいですね」

※所属部署は取材当時のものです。

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