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【インタビュー】最先端医療機器の生産現場を支える、トヨコンの物流トータルサポート

【インタビュー】最先端医療機器の生産現場を支える、トヨコンの物流トータルサポート

株式会社ニデックは、眼科向けの医療機器、眼鏡機器の設計・開発及び製造・販売、またレンズのコーティングなどを手がける医療機器メーカーです。トヨコンでは、株式会社ニデック 浜町工場及び拾石工場にて、梱包資材の設計から梱包・出荷まで、物流に関する業務を一貫して請け負っています。

今回、トヨコンの物流トータルサービスのメリットについて、株式会社ニデック 生産本部 機器製造部 担当部長の加藤眞吾さんに話を伺いました。

3つの分野を展開する眼科医療機器

株式会社ニデック(以下、ニデック)は、眼科で使用される検眼機や手術装置、レーザー機器などを取り扱う医療分野、眼鏡店で使われる視力測定機やレンズ加工機などを手がける眼鏡機器分野、そしてレンズや液晶ディスプレイに使われる部材などのコーティングを行う分野という3つの領域を軸に事業を展開しています。

加藤さんが所属する部署では、主に医療機器と眼鏡機器を製造。その中で加藤さんは現在、製造の責任者の1人としてマネジメントや人材育成を行いつつ、トヨコンとの取引の窓口を担当されています。

最初は包装資材の手配先としての付き合いだった

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ニデックとトヨコンの最初の取引について尋ねると、加藤さんは「前任者が担当していたので詳しいことはわからないのですが」と前置きしたうえで、「最初は包装資材の手配先としてのお付き合いだったと聞いています」と答えました。

そこから、どのような流れで現在のように物流業務を一貫してトヨコンへ委託するようになったのでしょうか。加藤さんは少し考えながらこう話します。「トヨコンさんへ、『この製品には、どういった梱包材がいいのだろう?』と相談したことがきっかけで、設計もお願いするようになったのだと思います」

それまでは、機械の設計担当者が梱包材も設計し、その設計通りの資材をトヨコンへ発注。そして、梱包の実作業も機器製造部の社員が行っていたそうです。しかし、ニデックが取り扱っている製品は精密な医療機器のため、高い梱包技術が必要になります。「落下試験などのノウハウはトヨコンさんの方が持っているので、包装設計もお任せするようになりました。そして、じゃあ次に……ということで、トヨコンさんから梱包の実作業の提案をいただいたのです」 

工場内に事業所を構え、現在では全機種の梱包を委託

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現在では、浜町工場内に梱包室としてトヨコンの事業所を構え、全製品の梱包資材の設計から納入、そして梱包作業を一括でトヨコンが請け負うまでに。この事業所に常駐しているトヨコンの社員は30名ほどの規模になりました。

ニデックの梱包作業に関しては、以前は自社の梱包資材用の倉庫と、完成品の一時ストック用の倉庫からそれぞれ梱包資材と完成品を持ってきて、出荷先や出荷日に合わせて梱包して、送り状を貼って出荷するまでを機器製造部で行っていました。現在は、製品が完成したらすぐにトヨコンが請け負う梱包室に運び、そのまま梱包されてニデックの物流センターに搬入するというスムーズな流れに。物流センターに製品が届いた時には、もう送り状を貼るだけの状態になっています。

加藤さんはこう振り返ります。「いきなり全ての機種の梱包をやっていただくのはなかなか大変ですから、2004年頃から徐々に梱包していただく機種の数を広げていったという感じですね。今では、全ての機種の梱包をお願いしています」

このように物流の全工程をトヨコンに委託するまでに至った理由は、やはりトヨコンが培ってきた物流ノウハウにあると加藤さんは言います。「以前拝見したトヨコンさんの新聞広告に『梱包ならおまかせ下さい』と書いてありましたが、その通り、物流はトヨコンさんに任せておけば間違いないですね」 

物流センターに入るまでのリードタイムが縮まった

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全ての機種の梱包を一括して委託することで、製品が完成してから物流センターに入るまでのリードタイムが格段に縮まったと話す加藤さん。さらに、梱包という最終工程で、製品の欠品や不具合がないかダブルチェックができることも、梱包業務を委託するメリットだと続けました。

「お客様のところに届く前の最終段階でミスを食い止められているのは、トヨコンさんのほうで厳しいチェックをしていただけているからだと思います。とはいえ、こちらもミスがないようにと、お互い切磋琢磨して仕事をしている、いい緊張関係にありますね」

『ダメ』という言葉を聞いたことがない

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さらに、工場内に梱包業務を請け負うトヨコンの社員が常駐していることで、より柔軟に対応してもらえる点もメリットだと加藤さんは言います。「例えば、予定していた製品の納品数がお客様の要望によって変動することもあります。また、弊社では修理も行っているのですが、修理品の数はある程度見込んでいるものの、予想が外れる場合も。そういうケースに対してもすぐにフレキシブルな対応をしていただけるというのはすごく有り難いですね。トヨコンさんから『ダメ』という言葉を聞いたことがありません」

こうして、以前に比べて本来の業務である機器の開発、製造、販売により専念することができるようになったという加藤さん。しかしその一方で、梱包や物流の知識が社員に蓄積されないことを人材育成の立場として懸念しているとも話しました。

環境マネジメントシステムISO 14001を取得

また、環境面についての取り組みも話題に挙がりました。「弊社はISO14001(環境マネジメントシステムに関する国際規格)を取得しており、環境面に関してもトヨコンさんは非常に協力的で助かっています。これは当社の人間だけでなく、工場内で作業していただいているトヨコンさんにも一緒に取り組んで頂く必要があることなので」

ニデックの浜町工場では、工場の廃棄物の中で60%以上を占めるダンボールをトヨコンが回収しリサイクルしています。これに対し、加藤さんは「私は環境の責任者でもあるので、この取り組みはすごく助かっています」と笑顔で話しました。

物流に関する業務だけでなく、会社としてもよい影響を受けているのだとか。「この工場では5Sに取り組んでいますが、トヨコンさんでも同じように取り組んでいらっしゃいますし、防災の活動も参考になります。協力会社として、すごくいい関係なんじゃないかなと私は思っています」

今後は省人化も一緒に考えていきたい

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最後に今後トヨコンに対して期待することを尋ねると、「品質面はもちろん、世の中の変化に合わせた事業展開をしていくために、よりフレキシブルな対応が必要になってくると思います」と加藤さん。

加えて、省人化機器の導入についても取り組んでいきたいと続けました。「例えば定点カメラやICチップ、RFIDなどを導入できるようになると、製品の停滞も少なく出荷がよりスムーズになりますよね。IoTを使ったより効率的な物流業務など、時代の変化に対応した取り組みを一緒に考えていければと思っています」

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