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レポート#2:難しい操作はいらない!協働搬送ロボットの実力は?

レポート#2:難しい操作はいらない!協働搬送ロボットの実力は?

 
現場の自動化を始めようと思っても何から考えたらいいのか分からない、なんてことありませんか?今回のセミナーに登場する協働搬送ロボットは、スモールスタートに適しており、運ぶ工程を自動化します。セミナーでは『人との協働』をキーワードに、シンプルな操作と自在な運用ができる協働搬送ロボットのサウザーについて、現場運用のシミュレーション動画を含め、導入・運用方法を解説します。
 
・導入検討する前に―協働搬送ロボットは搬送工程で人と協働する現場に向いている
・スペックと特徴1―自動追従とライン走行のシンプルな機能
・運用シミュレーション
・スペックと特徴2―AGVの100倍⁉の手軽さ、DIY感覚で現場を構築できる
・導入後の効果―搬送工数を減らしてコア事業に注力する 

導入検討する前に

協働搬送ロボットは搬送工程で人と協働する現場に向いている

━━機器としての方向性は?
複雑なプログラムや信号制御をあえて排することで、現場で直感的に導入・操作ができて、人と協働できます。また一台でも運用可能ということで、スモールスタートにも向いているということが挙げられると思います。
 
━━どのような現場に向いていますか?
パーツピッキングを行っている現場はもちろん、導線の変更が頻繁に行われる現場や、人の往来が多い現場、フォークリフトの導線が交差するということで機器の導入に踏み切れなかった現場です。あとはそこまで大掛かりな仕組みは必要ないけど、スモールスタートでちょっと改善を行いたいっていう現場が向いていると思います。前提として、人と協働する必要があって搬送距離・搬送工程に課題を持たれている現場に向くと思います。
 
━━競合しやすい工程について教えてください。
物を運ぶ機械になりますので、ピッキングと搬送の組み合わせがある工程が競合しやすいですね。例えばパーツセンター、ネット通販系の物流センターが挙げられると思います。ほかにも協働ロボットはたくさんありますが、運ぶという部分でいうと、AGVと機能競合すると思います。ただ、協働搬送ロボットのサウザーはあえて上位のホストとの連携や生産設備とかのインターロックを排していることで、人と一緒に仕事をする協働搬送ロボット、ということを全面的に打ち出しています。
 
━━メリットとデメリットは?
メリットは私が強く感じているところで、まず操作が直感的に行える、簡単であるということ。また導入がものすごく容易であるということ。半面、人と一緒に働くということを大前提としていますので、スタートとゴールに操作をする人が要るということが前提になってくるのが特徴でもあり、デメリットであるのかなと言えると思います。
  
      20210618_サウザーレポート1.png 20210618_サウザーレポート21.png

スペックと特徴1

追従走行とルート誘導走行のシンプルな機能 

━━スペックについて教えてください。
まず操作からご説明させていただきます。機器に「手動操作盤」がついていますので、それを操作することによって前後左右、手動で動かすことができます。
 
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次に「追従走行」があります。これもボタン一つで設定ができて、センサーで前にいる人や台車を検知して、それについていくというモードです。走行スピードもボタン一つで調整ができますので、最大時速7キロくらいまでは出すことができます。距離が離れすぎて追従できないよとなると、「ピピピ」とアラームを鳴らして、待って~!と言いますので前の方にも気づいていただけるかと思います。
 
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その次に、再帰反射テープを使って「ルート誘導走行」ができます。ルートの上にバーコードを置いてその指示を実行するモードです。例えば180度のスピンターン、右に曲がってね、このステーションで止まってね、という指示をバーコードで設定できますので、かなり色々なルート誘導ができると言えます。
 
     20210618_サウザーレポート5.png 20210618_サウザーレポート6.jpg  
 
あとはAGVとの比較になってしまいますが、協働搬送ロボットのサウザーは走破性が非常に高くて、ある程度の段差がある現場や、路面状況が良くない現場でも走ることができます。コンクリートのつなぎ目、少しの水濡れであれば問題なく走行できます。
 
可搬能力については、本体に物を載せる、積載する場合は100㎏までです。台車などを引っ張るけん引の場合は、300㎏まで対応できます。
 
━━フル充電で何キロ走れますか?
荷物を積んでいない無負荷状態で20km、荷物を積む・けん引する有負荷状態で、12~13km走ることができます。バッテリーのフル充電時間は、8時間になります。
 
━━安全性に関してはいかがでしょうか?
走行方向に広視野のレーザーセンサーを持っていますので、障害物を検知して衝突を回避するような仕様になっています。
 
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━━カスタマイズについて教えてください。
ラインナップの範囲で行うという形になりますので、ハードについては「けん引治具の設計、取り付け」「積載面の拡大」を対応できる範囲で行うという感じです。ソフトに関しては、基本的には標準のものを使っていただくというのが前提になりますが、「ルートのメモリ機能」を付けることができますので、その部分をカスタムできるという形になります。
 
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運用シミュレーション

協働搬送ロボットのサウザー(以下サウザー)のスペックが分かったところで検証をしていきます。

検証①「協働搬送ロボット」と「人力」を比較

はじめに、荷物が入った箱5つを搬送する場合、協働搬送ロボットと人力ではどのような差があるのか検証しました。サウザーは追従走行モードで、けん引用の治具を設置します。箱をサウザーが4つ、人が1つ持って協働搬送します。
 
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協働搬送の場合、人は歩く速度を落とすことなく、また箱を持つ負荷が軽減されるため、楽に荷物を運べています。一方、人力の場合は、人が5つの荷物を台車に載せて搬送します。箱のバランスを気にしながら歩くため、速度が落ちて不安定な搬送となります。
 
結果:人力よりも協働搬送の方が安定して早く、そして楽に搬送できる。 

検証②ルート誘導走行、指示バーコード設置

「再帰反射テープ」を使った検証をします。再帰反射テープで3本に枝分かれするルートを作成しました。ここで、指示バーコードを設置しない場合、3本の内どのルートを選択して進むのか検証しました。
 
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結果:指示バーコードがないと、3本ルートがあっても直進ルートを走行する

 
次に、2本の枝分かれルートを作り、枝分かれの直前に「左折指示のバーコード」を設置して指示通りに走行するか検証しました。
 
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結果:バーコードの指示通りに左折ルートを走行。
 
続いて、サウザーにルートの指示をして検証します。ルートの途中に「101」「停止」指示のバーコードを設置し、ボタン操作で「101」を指示しました。
 
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結果:指示バーコード通り「101」で停止する。
 
そして最後の実験は、先ほどと同じ指示バーコード「101」「停止」をルート上に置き、「104」を指示するとどのように走行するのか検証しました。
 
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結果:バーコードの指示が違うと認識し、そのまま通過。
  
▼検証の全貌はこちら

 

スペックと特徴2

AGVの100倍⁉の手軽さ、DIY感覚で現場を構築できる

 ━━協働搬送ロボットのサウザーについて特徴を一言で教えてください。
AGVと比較して、導入と使用が100倍⁉簡単です。これは実際導入実行する方、現場で使用する方には、非常に大きなメリットとなると考えています。
 
━━その他の特徴は何ですか?
1.施工が簡単
走行経路がホームセンターでも入手できる、「再帰反射テープ」というテープで構築できて、かつ走行精度もかなり出やすいです。施工が簡単にできて、細かい運用指定であるとか環境条件を問わないというのが大きい特徴になります。
 
2.DIY感覚で現場構築
走行指示に関して、例えばここで180度反転して戻ってきてね、という走行指示にも、「再帰反射テープ」を使用してバーコード作成することによって、簡単に実行することができます。これがAGVでいうと、メーカーや大きな会社の工務部門、専任部署がやられることが多いと思いますが、サウザーは使われる方が、その後DIY感覚で現場構築することができるというのが大きな特徴となります。
 
3.プログラムのカスタマイズを行わない
これはメリットであり、デメリットでもあるのかもしれませんが、基本的にプログラムのカスタマイズを行いません。初期設定能力で現場運用していただくというのが基本になります。
 
4.ホスト連携・インターロックを行わない
重複する部分にはなりますが、ホスト連携であるとか集中制御であるとか、もしくは製造設備、エレベーターなどと、他の設備との通信を行わないというのも大きな特徴ですね。
 
5.完全に協働が可能な仕様
協働ロボットといっているゆえんでもある、完全に人と同じ現場で作業ができる仕様である点です。安全面に関しても、センサーといった部分も当然担保されていますし、人と一緒に仕事をすることを前提とした機器です。特に制御プログラムのカスタマイズを行わないところと、ホスト連携・インターロックを行わないというのがサウザー独自の考え方で、機器を現場運用に合わせてカスタマイズするのではなくて、あくまでも『現場運用を機器に合わせていただいて、サウザーの有用性を最大限失わずに使っていただく』というのがコンセプトになりますね。
 
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導入後の効果

搬送工数を減らしてコア事業に注力する

 ━━選定と度合いの判断は?
まずはお客様のやりたいことに対して、導線上もしくは運用上、サウザーが本当に有効であるかというのを我々が検証させていただきます。次に、人と一緒に働く協働ロボットであるということが有効であるかという判断をさせていただきます。使用環境にあまり影響されない機器とはいえ、極端な勾配や段差がある現場は当然向かないので、お客様の現場環境がどのようなものであるかというのは調査させていただきます。
 
━━発注から導入までどのくらいかかる?
標準の機器だけであれば、2か月程度みていただければ機器自体はご用意できると思います。肝要になるのは、お客様がどのように運用されるのかです。ここは追従だよ、ここは経路を引くよ、という運用設定のところが非常に肝要になってくると思いますので、そこの打ち合わせにお時間をいただくという感じです。
 
━━導入後の効果は?
ここは搬送に関することになりますが、今までモノを運んでいた工数がもっと違う、モノづくりや開発にリソースを集中できますので、能力としてはコア事業の能力が増えるということが言えると思います。あとは、「追従走行モード」がありますので、経路がなくても人の後をついて行くということが可能です。そうなってくると単純に運べる物量自体も増えます。
 
あとこれは非常に価値あることだなと思っている点で、導入をお客様が自分の手で行えるというところです。改善プロセスというのを体験していただくことができますし、やりたいなと思ったことが実現していくというところは、定量判断できない効果ではありますけども、非常に体験価値としては高いものになるのかなと思っています。
 
あとはサウザーの、センサーで検知して人についていく追従モードが非常に可愛くて、道具ではありますが相棒みたいな感じで愛着が湧くという話も実際聞いています。あるお客様の現場では、名前を付けて一緒に仕事をしているなんてこともあるみたいですね。
 
━━導入のタイミングときっかけは?
搬送というのは、物流工程の中でも改善の優先度は低いというか、焦点が当たりにくい部分だとは思いますが、搬送の効率化が話題になる時点で、改善意識の高いお客様だと考えています。中でも具体的な検討タイミングとなりうるのは、大きな変化が現場の中であるときではないかと考えています。
 
例えば建屋を新設する、拡張する、現場のロケーションを変える、あとは人数が変わる、現場の体制が変わる、設備を増やすとか生産量が増えるというときに導入検討がされやすいと感じています。その導入意欲に対してお客様のイメージにインパクトを与えるのが、実機を使ったデモンストレーションだと思います。トヨコンはデモの手配も、お客様のやりたいところから具体的にどう運用されていくのか、イメージの構築までお手伝いさせていただきます。
 
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【実験番外編】
インタビューの中で、急斜面には適さないと言っていましたが、サウザーに走ってもらいました。台上に箱2つを載せ、追従モードで走行させます。昇り降りはできましたが、車体が斜めになり、台上の荷物が移動して落下の可能性があるため、搬送経路としてはやはり不向きでした。
 
     20210618_サウザーレポート20.png 20210618_サウザーレポート19.png  

 
本日のまとめ
協働搬送ロボットのサウザーは、搬送工程で人と協働する現場に向いています。またスモールスタートで導入・運用を簡単に自分の手で行えるため、改善プロセスが体験できます。  
■商品詳細はこちら
https://toyocongroup.co.jp/products-list/labor-saving0005/ 

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