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倉庫設備の必要性―設備はなぜ必要?必要なのはどの種類?

倉庫設備の必要性―設備はなぜ必要?必要なのはどの種類?

 
物流倉庫にはさまざまな設備が必要です。物流の5大要素と言われる、輸送・保管・荷役・包装・流通加工と、さらに情報管理を加えた現代の物流における6大要素では、いずれも設備がなければ効率的な作業を行うことができません。物流倉庫における設備の重要性や設備の種類、物流センターの種類によって分かれる必要な設備などについて解説します。

倉庫設備がなぜ重要なのか

物流倉庫は商品の保管を行うだけの場所ではなく、搬入や出荷など多くの機能を持っています。物流倉庫において倉庫設備とはどのようなものを指すのか、倉庫設備を確認することがなぜ重要なのかをみていきましょう。

倉庫設備とは

物流倉庫での倉庫設備とは、商品の搬入・保管・荷役・出荷の際に必要となる設備のことをいいます。また、物流倉庫は流通加工を受託して行う場合もありますが、その場合は流通加工に必要な機械や工具なども含みます。また、特殊な機能を備えている冷蔵倉庫や冷凍倉庫、自動倉庫などでは、倉庫自体の機能を指す場合もあります。これらのことから、倉庫設備とはその倉庫に求められる機能を満たすために必要な設備や、機材全般を指すということがわかります。

倉庫設備のチェックはなぜ重要?

荷主は商品の管理を委託する倉庫を選ぶ際、倉庫設備のチェックは欠かすことはできません。物流業務をアウトソーシングする際、商品の取り扱いに関して必要な設備を備えた倉庫でなければ、安心して物流業務を任せることができないからです。十分な設備を取りそろえ、確実な商品の管理、安全な作業を行っている営業倉庫を選ぶことは、商品の付加価値を損なうことなく事業活動を行うことへとつながります。

倉庫運営側にとっての倉庫設備の重要性

営業倉庫を運営する側にとっては、倉庫設備をそろえることで商談機会の増加につながります。多様な倉庫設備を保有していることは、倉庫選定の際の判断材料になります。また、3PL(サード・パーティ・ロジスティクス)による選定の対象にもなりやすくなります。(関連記事:サード・パーティー・ロジスティクスとは何か|トヨコン

物流倉庫設備の種類

具体的に、倉庫設備にはどういった種類があるのでしょうか。代表的なものをみていきましょう。

ラック

倉庫設備の基本とも言えるのがラックです。商品を平置きしていたら倉庫の床面積の分しか保管できません。ラックを使い2次元的な保管から3次元的な保管へと変えることで、多くの商品を保管できるようにします。ラックは純粋に保管を目的とした重量ラックや中量ラックなど保管物の重量ごとに分類されているもののほか、さまざまな機能を持つものがあります。
 
移動式ラックは、必要に応じて通路の場所を変えるようにスライド移動でき、デッドスペースを小さくできます。棚の1段を引き出してクレーン作業を可能にする引き出しラック、先入れ先出しをするための流動ラックなどもあります。

保管機器

商品を保管するために必要なのは、ラックだけではありません。商品を保管したまま人力で移動できるカゴ台車、不使用時は折りたためるメッシュボックスなども、保管のための機器として重要な役割を果たしています。コンテナーは積み重ねることで任意の場所に保管ラックを作れますが、使わないときには積んでコンパクトにしまっておける、柔軟性の高い保管機器です。

荷役・運搬・出庫用の機器

倉庫は商品を保管するだけでなく、それらの運搬や出庫、荷役などの機能も重要です。荷役や運搬のための機器も充実していなければ効率的な作業ができず、倉庫運営の効率を落とすだけでなく、荷主にとってもリードタイムが長くなり不利益となります。人力で商品を運ぶ台車や、ローラーコンベヤなど柔軟な搬送ラインを構築できる機器は、小口配送の増えている近年において重要性が高くなっています。
 
荷役作業に欠かすことができないフォークリフトは、求められる機能や特性、環境に配慮した仕様など、倉庫内での作業に合わせて仕様を細かく選定できます。近年ではAGV(無人搬送車)を導入する倉庫も多く、搬送機器も次世代のものへと移行しつつあります。

倉庫の機能

倉庫の機能は荷主が倉庫を選定する際に最も重要となる基準になります。例えば、生鮮食品を保管する際に冷蔵機能のない倉庫を選ぶことがないように、倉庫の機能は選定基準の前提です。冷凍倉庫や冷蔵倉庫、エチレンガスコントロールなどは食品の保管に求められる機能です。また、自動倉庫での効率的な管理も、リードタイムが重要視される商品の管理においては重要な判断基準です。

管理システム

倉庫における商品の管理は、情報の管理が非常に重要です。そのためには、倉庫管理システム(WMS)に代表されるような管理システムの導入は、もはや必須と言えるのではないでしょうか。管理システムは、倉庫内での商品の管理において必要なだけでなく、物流全体の効率化につながる土台とも言えます。管理システムがあることで、物流のすべての工程にさまざまな情報を共有することが可能になります。
 
情報が共有されることで、トラックやドライバーの効率的でムリのない分配、ムダのない配送といった仕組みが作れます。また、商品がどこにありどのような状況かということを荷主や配送先が把握できることは、顧客満足度を向上させます。これからは、目に見える商品を物理的に取り扱うだけでなく、その商品に関する情報を管理することも、倉庫に求められる機能として重要度を増していくと考えられます。

物流センターの種類と必要な設備

物流センターは大きく分けて、TCとDCの2種類に分類されます。TCはトランスファーセンターの略で、通過型物流センターとも呼ばれます。商品を在庫することなく、仕分けと検品、出荷を行う物流センターです。スピードが重視される日本の物流ではTCが主流です。
 
一方のDCは、ディストリビューションセンターの略で、在庫保管型物流センターとも呼ばれます。DCでは仕分けや検品だけでなく、在庫保管や荷合わせの機能も持ちます。商品が物流センターを通過するだけでなく一度保管することで、その前後の配送にとってのクッションのような役割を果たし、業務の負荷を平準化できる特徴があります。
(関連記事1:クロスドッキングとは?物流センター・TCとDCの違い|トヨコン
(関連記事2:スムーズな物流の要!物流センターの役割とは? |トヨコン
 
このとき、TCは通過型であるため、保管のためのラックや保管機器を多く必要としません。ただし、積み替えの効率やスピードは重視されるため、荷役や搬送に関する機器が用意されていることは重視されます。一方、DCは保管機能を持つため、ラックや保管機器を取りそろえていることが重要です。自動倉庫のような効率的な保管が可能な倉庫の機能も重要です。TCとDCのいずれも、商品に関する情報の管理は非常に重要で、これからの情報の価値が重視される時代にはさらに重要度は高くなっていると思われます。そのため、管理システムはもはや倉庫の機能として必須と言える設備の1つです。

倉庫の設備は商品の取扱いを確実・安全にするためのもの

荷主から見て、商品の管理を任せるための倉庫にある倉庫設備を確認することの重要性や、倉庫はどのような設備を用意しておくことが重要となるのかについてご紹介しました。倉庫の設備は、荷主にとっては物流業務をアウトソーシングする際に、商品の確実な管理を任せるうえで安心材料となります。また、営業倉庫を運営する側にとっては、商談機会を増加させるアピールポイントになるだけではなく、実際に商品を管理する機能の有無を決定することになります。物流業務のアウトソーシング先に、必要な倉庫設備がそろっているかどうかをチェックすることで、商品の取扱いの確実性と安全性を高められます。
 

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