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梱包材料の今。三大機能に付加価値

梱包材料の今。三大機能に付加価値

梱包の機能は、保護性・利便性・快適性といわれています。情報通信技術を中心とした他分野の技術革新が、梱包の三大機能の進化にも影響を与えています。今回は梱包の動向、とりわけ梱包材料の今について考えていきます。

内容物を守る機能、保護性

梱包の三大機能のひとつが保護性です。内容物の品質・価値を損なうさまざまな要因、衝撃、温度、湿度、酸素、光、臭い、塵、傷などから内容物を保護する機能です。外箱や緩衝材、仕切りや内袋などの梱包材料が保護性を担います。

現在では、3D関連技術の進化(3Dスキャナ、CAD、CAM、3Dプリンタ)により、保護性を維持しつつ、コストや取り扱いのうえでメリットを出すような最適化が可能になっています。例えば、3Dスキャナで内容物の形状をデジタルデータ化することもそのひとつ。内容物の形状データから、梱包材の材質を最適化したり、容積を最小にする緩衝材の形状を設計したりすることができるのです。

また、梱包設計にもCADが使用されているので、内容物の設計データを梱包材料の製造まで一貫して活用することも考えられます。内容物の設計データをもとに梱包設計を最適化し、最適化された形状をCAMデータとして梱包材料を製造するのです。梱包材料の製造にあたっては既存の加工機に加えて3Dプリンタの登場で、コストに見合う多品種少量生産も可能になってきています。

取り扱いを容易にする機能、利便性

利便性とは、輸送時と保管時には識別や分別、運びやすさや置きやすさを与え、消費者には持ち運びやすさ、開梱や廃棄のしやすさ、リサイクルのしやすさを与える機能です。

意外なことですが、進化の目覚ましい情報通信技術は梱包の利便性にも貢献しています。倉庫やトラック、消費者の取り扱いなどの環境をデジタルデータ化できるようになったことで、物が運ばれていく過程のすべてで利便性が最大となる解を求めやすくなったのです。例えば、保管の際の内容物の識別です。保管されている物品の内容が何なのか、倉庫の作業者が一目でわかるよう、従来ではスタンプやステッカーで識別を行っていました。それが現在では、梱包材料にRFIDやバーコード、センサーを付加することで、内容の識別はもちろん、在庫数量や在庫期間、出荷時期や環境温度をモニタリングすることまで可能になっているのです。

また、他の利便性を高める施策として、トラックの荷台のサイズをデータ化し、無駄なスペースをなくすような外箱の設計も行われています。運びやすさ、置きやすさ、取り扱いを容易にすることは輸送や保管コスト削減に貢献します。

梱包材は開梱後に大量のゴミとなってしまうこともあるので、リサイクルの面での利便性を高めることも重要です。以前は、梱包材料に材質名を印字することでリサイクルへの取り組みがなされていましたが、現在では設計時点から異種材料部分を分離しやすい構造にしてあるものが多く見られるようになりました。

内容物の良さをアピールする機能、快適性

内容物に関連する情報を表示すること、品質や美しさ、さらには清潔であること、未使用であることを示す機能が快適性です。いったん開封すると「開封済」の文字が表示される袋や、内容物の色を美しく際立たせる袋、段ボールに印刷された産地や加工メーカーなどを連想するとわかりやすいでしょう。

食品の梱包では、生産者や加工業者の情報を開示するために使われており、外箱に関連商品の広告が印刷されているものも見かけます。最近では、商品を購入して開封するとLINEのスタンプをもらえるQRコードが印刷されているものも、梱包材料の快適性といえるでしょう。

このようなQRコードやRFID、印刷技術やARの進化は、利便性同様に梱包材料の快適性に影響を与えました。特筆すべきなのが、こうした技術によって製造者と消費者のコミュニケーションがより双方向になっているということです。今までは製造者側からの一方的なアピールの場であった梱包材料は、顧客からのアクションをうながすツールとしても機能しています。生産者の情報開示が顧客のファン化を促進したり、LINEスタンプ配布時のユーザー登録で類似商品の見込み客とつながったり、といった新しい価値が梱包材からも創造されているのです。


現在の梱包材料は、以前から担ってきた三大機能を進化させるだけでなく、メーカー側には品質管理や顧客のコミュニケーション、顧客側にも品質の向上や情報の開示と双方に付加価値を与えるひとつのツールとして進化を続けています。物流による付加価値向上のため、ぜひ注目してみてください。

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