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「荷物」が賢くなる。IoTで進む物流の将来

「荷物」が賢くなる。IoTで進む物流の将来

「あらゆるモノがインターネットにつながる」といわれるIoT。範囲が広すぎてイメージがつかみにくい面もありますが、物流の現場で取り扱う荷物やパレットといった単位が今までより賢くなる、と考えてもよいかもしれません。RFID(無線自動識別装置)と呼ばれる情報タグを取り付けることで、物流に何が起きるのか考えてみましょう。

IoTって電化製品のもの?物流に応用できるの?

IoT登場時にはスマート家電とともに紹介されたこともあり、「家電製品がインターネットにつながっている」というイメージになりがちです。しかし、あらゆるモノがネットにつながるのですから、エアコンや冷蔵庫だけとは限りません。調査会社ガートナーによると、2014年時点でネットにつながっているデバイスの数は38億個ですが、2020年には200億個を超える規模にまで拡大すると予想されています。

これを物流のなかで考えると、流れていく荷物(商品)一つひとつ、またその梱包単位であるコンテナやパレットにもインターネットにつながるデバイスを付加することが考えられるでしょう。こうしたデバイスは、一定の記憶容量とセンサーなどを備え、「自分」の中身である製品名や数量、製造元情報や温度湿度といった保管・輸送中の状態、位置情報などを把握することができます。そして、デバイスのリーダライターを通じて情報を送受信し、インターネット上で状態を把握することが可能なのです。

現在も拡大を続けるネット通販の世界では、荷物に付けられた番号によって「今どこ」を注文主が把握できるサービスが求められ、エンドユーザーによる配送サービス選択のカギともなっています。これがIoTの普及によって、荷物の位置情報だけでなく「注文通りの商品・数量が入っているか?」「壊れ物に不要な衝撃がかかっていないか?」「冷蔵品や冷凍品の温度管理は適切か?」といった情報も管理できるようになります。情報を荷物そのものが持ち、リアルタイムに注文主に知らせるといったことが可能になるのです。

世界の航空機をより安全に。RFIDによる部品のスマート化

米ボーイング社の航空機1機あたりの部品点数は約7000点。数の多さも相当なものですが、重要な点はこの部品リストや情報を管理するのが航空機製造元のボーイングだけではないということです。完成した航空機は世界の航空会社に引き渡され、長ければ30年にもわたって運行されるため、整備や保守点検の際に正確な部品情報が不可欠となります。また、航空業界では偽造された部品が流通して問題となったこともあり、こうした問題解決のためにも部品ごとの正確なトレーサビリティの確保が必要です。

ボーイング社のソリューションは、部品にRFIDラベルを貼り付けることでした。RFIDラベルは航空業界の標準データフォーマットに対応しており、約7000点の部品を正確な構成部品リストにして管理し、航空会社に提供できるようになります。従来、作業員の手入力などによって管理されていた部品情報を、RFIDを元に管理することで、入力時のヒューマンエラーや在庫の無駄を削減し、管理の効率を上げるとともに航空機の安全な運行につなげることができるのです。

IoTのタグはコストアップ要因では?

「航空機の部品にRFIDラベルを取り付けてIoTで管理」というと、1点1点が高価な航空機の世界だからこそできることでは? という疑問を持たれるかもしれません。確かに、無線ICタグ(RFタグ)の入ったラベルは二次元バーコードより高コストです。とはいえ、RFIDには二次元バーコードにはない「繰り返し書き込み」「複数同時読み取り」といった特徴を持っています。

たとえばパレットや製品の箱に二次元バーコードのラベルを貼った場合、1点ずつ情報を読み取る作業が必要になります。これがRFタグを取り付けた場合ならば、ゲートを通過するだけで複数の製品をまとめて検品する、在庫情報を更新する、配送先別に仕分けする、といったことができるでしょう。また、RFタグは10万回もの繰り返し書き込みが可能になっていて、再利用が可能。製造や物流の現場にRFIDラベルをプリントするRFIDプリンタを導入することで、ラベルのリユースもできるのです。

 

IoT化の波は、家電製品に限ったものではありません。宅配便から航空機の安全性まで、物流の現場の力となっています。RFIDには導入コストもかかりますが、リアルタイムに多くの商品・物流情報をまとめて管理でき、検品や仕分け作業の高効率化、コストダウンを図ることもできるのです。

 

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