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レポート#7:SDGs取り組みの第一歩!環境にやさしい梱包を考える

レポート#7:SDGs取り組みの第一歩!環境にやさしい梱包を考える

 
2021年10月14日に「今がその時!SDGs思考の梱包資材」と題して、勉強会を開催しました。この勉強会では、2021年9月30日開催の「今日からはじめる!SDGs思考の梱包資材」の内容を、より具体的にしたSDGs取り組みまでのステップをご紹介しています。SDGsへの取組みとして、企業が梱包材の領域でどのような工夫ができるか?というポイントを交えて、お届けします。 

目次

・SDGs思考の梱包資材
・梱包資材の見直しで貢献できる環境問題―・ウッドショック
                    ・海洋汚染問題
・提案事例/導入事例―・包装設計の役割
           ・オールダンボール化
           ・ワッフルパッド
           ・ワッフルパッドが導入されるまで
           ・断熱ダンボール
・まとめ
 
 
はじめに、東京営業所の澤田氏がSDGsの概要と世界の現状について話します。
 
トヨコンは総合物流商社としての立場から包装資材販売、省人化事業を通じてお客様や社会と共にSDGs達成を目指しています。
 
持続可能な開発目標 SDGs とは「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない」ことを誓っています。
 
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世界人口は今日78億人です。これは、30年前より28億人増えていることになります。産業革命以降、世界の人口は増え続けており、2050年にはついに100億人となる予測もされています。世界のあらゆるところに人が生活するという事は、それだけ地球の限られた資源を人間が消費している状態とも言えます。
 
澤田氏は「地球2.8個分、この数字が意味することは何でしょうか?」と問いかけます。そして、「この数字は、日本人と同じ生活スタイルを世界中の人がしたときに必要な地球の数です」と続けます。私たちは利便性に富んだ、たくさんのモノに囲まれて暮らしていますが、世界中の人がその生活をすると、地球を保てなくなるのです。そのため、SDGsは日本としても率先して、積極的な取組みが求められます。

SDGs思考の梱包資材

次に澤田氏は、SDGs思考の梱包資材の選択肢について紹介しています。
 
●テープ
梱包作業においてテープ類は、最も多く使われる商品の一つではないでしょうか。梱包にまつわる様々な商品を有する弊社の販売実績をみても、ダンボールやポリ袋に次ぐボリュームを有しており、多くのお客様の現場で日々使われている商品と言えます。ここでは、環境負荷の低いテープについて紹介しています。
 
・クラフトテープ
クラフト紙の片面に不溶性の糊が塗られていて、梱包用に使われることが多いテープ。そのほとんどが剥離をするために、表面に合成樹脂によるラミネート加工が施されていて、水や油をはじく性質があります。そのため表面はツルツルで、水や油をはじいて、ペンで文字が書けなかったり、重ねて貼ることができなかったりという点もあります。しかし、軽量で扱いやすく、比較的安価であるため定番の包装テープです。
 
・ラミネートレスタイプのクラフトテープ
一般的なクラフトテープは、表面にラミネート加工が施されているのに対し、このタイプは、表面にポリエチレンのラミネート加工がありません。そのため、燃焼時に二酸化炭素の発生量を削減することができます。また、滑りにくく重ね貼りが可能な事、マジックなどで文字が書けるという特徴を挙げています。
 
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・ガムテープ
ガムテープという名称は、本来は粘着部分を水に付けて貼り付ける、郵便切手のようなテープのことを指します。通常の状態では粘着性はなく、使用の際に専用ディスペンサー(繰出し機)で水をつけることにより粘着力が発生するもので、別名「水テープ」とも呼ばれます。
 
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素材は「紙」と「でんぷんのり」という100%天然物で、廃棄の際に有害な物質を放出しません。そして、紙なのでダンボールに貼り付けたまま廃棄可能で、分別が不要です。また、粘着テープやOPPテープのような、化学物質特有のニオイがないため、食品の梱包にも最適です。
 
先に述べたように、ガムテープを使う際には、専用ディスペンサーが必要です。ここで、動画にてディスペンサーの使い方を紹介しています。手動タイプ・電動タイプがありますが、今回は電動タイプです。
 

 
●ダンボールパレット
続いての梱包資材は「レポート#6:SDGs入門編!SDGs思考の梱包資材を取り入れるポイント」でもご紹介したパレット。樹脂パレットや木製パレットは、荷物の入出庫や保管時に幅広く使われ、運送業界や物流業界では必要不可欠な道具ですが、破損した場合は廃棄処分になることが難点です。
 
リサイクル可能なダンボールパレットは、軽量物はもちろん、重量物にも耐えられる特殊な構造でできており、使用後はリサイクルに回すことが出来ます。
 
一方、デメリットとしては、紙でできているため、水や湿気に弱いことを挙げています。また、一点に重さが集中してしまうと耐久性が弱まるので、パレット全体にバランスよく荷物を積む必要があります。
 
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日本国内のダンボールは、ほぼ再生材を使用しています。ダンボール原紙の原材料90%以上が使用済みダンボールと言われており、日本は世界でもトップクラスのダンボールリサイクルシステムを有しています。つまり、ダンボールは非常に環境にやさしい梱包資材と言えるのです。

梱包資材の見直しで貢献できる環境問題

次に澤田氏は、SDGs思考の梱包資材と関連して、環境問題を二つ取り上げています。

ウッドショック

いま全世界的に不動産業界、住宅業界において木材が手に入りにくい状態となっており、価格が高騰しています。アメリカにおいて、木材価格は2020年の5月から約一年間で4倍にもなっているのです。木材不足や価格高騰という現実は、住宅用以外にも梱包資材の領域、具体的には木製パレットや木枠材へも顕在化してきています。
 
澤田氏は「誰も予想できない不確実な未来が待っている中で、梱包材の領域においても様々な選択肢を検討することが必要ではないでしょうか」と話します。これは、企業や自分たちの生存戦略として、SDGs思考の梱包材に取り組む良い機会と捉えることもできるかもしれません。(関連記事: 【SDGs思考の梱包資材】ウッドショックから考える輸送用パレット - 物流改善・梱包材のことなら | 株式会社トヨコン)

海洋汚染問題

海洋汚染問題への取組みとしては「脱プラ」が声高に叫ばれています。近年の環境配慮への意識向上を象徴する動向として、2020年7月1日よりスタートした、レジ袋有料化を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。脱プラは、SDGs目標:14に掲げられる、海の豊かさを守ろう への取組みとして考えることができます。
 
梱包資材にはたくさんの石油製品があります。多くの現場で使われているストレッチフィルムやPPバンド、ポリ袋は、非常に使い勝手の良い梱包資材ですが、全く別の代替品を検討することはハードルが高いです。
 
ここで、プラスチック使用量の削減について考えます。
 
澤田氏は「今使っている梱包資材のプラスチック量は、本当に適正でしょうか」と問いかけます。昔から使っているから、という理由で見落としがちですが、ストレッチフィルムやポリ袋の薄肉化、PPバンドの厚み、巾の縮小など、適正な仕様に変更するという選択肢もあると言います。
 
また、プラスチック使用量を見直して最適化することは、その多くがコストダウンにもつながります。例えば、ストレッチフィルムは20μから16μに変えることで、約20%のプラスチック使用量削減に繋がります。
 
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澤田氏によると、検討の際は事前にサンプルなどで評価できると良いとのこと。切替えで思わぬ性能相違や作業性の変化も考えられるので、必要機能は確認が必要です。
 
脱プラへの第一歩として、梱包に必須なプラスチック梱包資材を、適正な仕様へ見直すことから始めてみてはいかがでしょうか。

提案事例/導入事例

ここからは、小田原営業所の原氏が包装設計の観点から具体的な提案事例、導入事例についてご紹介していきます。

包装設計の役割

包装設計とは、製品の特性にあわせて最もふさわしい仕様を作成することを意味します。弊社にはこの専門部署である「包装設計課」があり、製品の状態を保護し、より良くみせるための梱包にすることはもちろん、梱包材のコストや機能など、あらゆる面を考慮してお客様が満足する仕様を目指しています。
 
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原氏によると、近年は、地球環境に優しい梱包設計を重視する企業が増加傾向にあるとのこと。そのようなSDGs思考を梱包材に取り入れる時、包装設計は非常に重要な役割を果たします。では、包装設計でどんな包装改善ができるのでしょうか。

オールダンボール化

例えば、発泡樹脂などの緩衝材を、ダンボールによる専用設計品への変更です。ケースによって、立体的な製品であっても、ダンボールの形状を工夫することで製品を固定する事も出来ると言います。作業性やコストなど検討事項は様々あり、オールダンボール化は包装設計の腕の見せ所になります。選択肢の一つとして考えてみてはいかがでしょうか。
 
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ワッフルパッド

続いて、弊社の登録商標となっているワッフルパッドの事例です。「レポート#6:SDGs入門編!SDGs思考の梱包資材を取り入れるポイント」でも取り上げましたが、ここではさらに詳しい特徴と導入事例をご紹介しています。
 
「ワッフルパッド」とは、弊社がメーカー様の協力のもと開発した、ダンボールによる立体構造を持つ紙緩衝材です。名前の通り、お菓子のワッフルのような見た目で、特徴は下記画像の右側に記載された6つあります。
 
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ワッフルパッドの使用例を動画で紹介しています。
  

 
ワッフルパッドが導入されるまで

ここからは、具体的な導入事例についてご紹介していきます。
 
これは、ワールドワイドに製品を展開するIT企業様の事例です。CO2やプラ削減化など世界的に環境規制が強まっている今、当然海外に製品を展開する企業様においては相応の対応が求められます。
 
この事例の製品納入先は様々で、ヨーロッパ諸国、アジア、アメリカにまで及びます。とりわけ、ヨーロッパ向けの製品ではサプライチェーンを構成する販売者は、部品毎に厳格な環境対応の報告が求められていました。
 
ユーザー様としては「脱プラ」にはいち早く取り組んでいましたが、比較的重量のある製品の梱包材には発泡プラスチック材を用いていたようです。原氏は「脱プラを推進する次の一手を決めかねている状況だった」と話します。
 
発泡プラスチックは非常に優れた梱包素材で、精密機器輸送には重宝されています。梱包材の本分は製品を確実に守る事です。その点、発泡プラスチックは重量物の製品を含め、すべての製品に適用することは難しいとの見解がありました。
 
弊社は従来から、これらの製品の梱包材仕様や包装材提供に深く関わっていました。そんな折のご相談だったため、ユーザー様の今後を見据え、メーカー様のご協力のもと、今回の「ワッフルパッド」の提案に舵を切りました。
 
提案を進める中で、懸念事項はやはり重量でした。特定の機種から検証をしていき、はじめは25kg程度の製品を選定して、落下試験など緩衝性能の評価をしました。すると、思いのほか、製品にかかるG値(衝撃値)が低く、ワッフルパッドの衝撃吸収性能は予想を上回る性能を叩き出したのです。
 
その後は製品ダミーでのトライから始まり、最終的には緩衝性能はもちろん、製品の脱落や衝突もなく、ワッフルパッドの導入が決定しました。そしてついに、最大100kgほどとなる製品の梱包材としても採用。原氏は「限界値はまだまだ未知数で、今後の展開が楽しみな商品」と話します。
 
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ワッフルパッドの特徴は先に列挙した通り、環境適応素材でありながら優れた緩衝性能を持つことなど様々あります。原氏によると、今回の事例においては、スタッキング可能な事による保管場所の省スペース化が好評だったと言います。下の画像のように積み重ねて保管できる分、納品時の荷姿は発泡プラスチック材に比べると、歴然の物量変化があります。
 
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原氏によると、様々な重量や形状の製品に適応でき、落下試験での緩衝性能は現時点で、発泡プラスチック材と同等の評価を得ていて、産業機器や遊戯機器など提案事例が増えていると言います。 

断熱ダンボール

ここで一つ、珍しい梱包資材を紹介しています。それは「断熱ダンボール」です。冷凍食品や医薬品の輸送材において、従来は発泡スチロールでの梱包が定番でしたが、断熱、保温機能を持つダンボールがある事はあまり知られていません。
 
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ダンボール素材なので、古紙としてリサイクル可能で、断熱性、保温性を有しています。また、保管時、輸送時ともに省スペースで通常のダンボールと同様にサイズや印字、数量についても融通が利きます。
 
実際の提案事例は食品輸送用の保冷箱を断熱、保冷ダンボールに変更するというもので、包装設計課にて試用定義を行いました。内側の構造体や保冷剤の設置個所などを工夫し、保冷効果の後押しに包装設計の腕を役立てることもできました。

まとめ

今回の勉強会内容のまとめになります。
 
・SDGs思考の梱包資材
環境負荷の低いもの、リサイクルができるものへ変更できます。まずは、使用頻度の高いモノから見直してみてはいかがでしょうか。
 
・包装設計の見直し
オールダンボール化など、素材や設計仕様の見直しによって、積載効率や保管スペースの改善につながります。
 
ダンボールでも発砲プラスチックと同等の緩衝能力が認められているため、脱プラの取り組みができます。
 
 
トヨコンは2021年8月1日にSDGs宣言を行いました。地方一介の物流商社であるトヨコンがなぜSDGsに取り組むのか?それは企業の大小、上場の有無に関係なく、取り組まない企業は存続できなくなるという危機感があるからです。
 
SDGs目標17は「パートナーシップで目標を達成しよう」です。SDGsは国や自治体だけが取り組んでいても決して達成することはできません。民間企業や市民団体、学校、研究機関、そして私たち1人ひとりがそれぞれの役割を果たすとともに、連携を深めて取り組む必要があります。パートナーシップや、業界により大きなムーブメントを作り出すこと。私たちがその一助となれば、これほど嬉しいことはありません。

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