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レポート#3:紙製緩衝材だけで箱の中身は守れる?落下試験チャレンジ!

レポート#3:紙製緩衝材だけで箱の中身は守れる?落下試験チャレンジ!

紙製の緩衝材は多様な形状の製品に合わせて使用でき、高い緩衝力で輸送中の製品の破損を抑えます。また近頃テレビやニュースで話題のSDGsの目標達成に含まれ、環境や社会の持続可能性にも配慮されている紙製緩衝材ですが、作業性や緩衝材としての性能はどうなのか?今回の動画では、紙製緩衝材の良さを生かした梱包方法の紹介と、落下試験機を使った耐久性の実験を物流企画課 坂柳氏と撮影スタッフの細井が行います。

―目次―

・紙製緩衝材の特徴―定型にとらわれない梱包方法でビン、皿、モーター、生卵に挑戦
・落下試験チャレンジ―・採寸、箱づくりからスタート。ビン、皿はとにかく巻く
           ・重量物はガッチリ固定
           ・梱包物の弱点、性質を見極める
・落下試験のまとめ―製品の大きさ、重さに合った紙製緩衝材の選定がポイント

紙製緩衝材の特徴

定型にとらわれない梱包方法でビン、皿、モーター、生卵に挑戦

坂柳氏は紙製緩衝材の特徴として、定型にとらわれない梱包ができる点を挙げています。それは、紙は複雑な形をした製品にも形を合わせられる柔軟性があるためです。今回落下試験に使うモノは「水が入ったビン」「平皿」「重量14㎏のモーター」「生卵」です。使用する緩衝材は、ランパック社の紙製緩衝材です。(関連ページ:https://toyocongroup.co.jp/products/paper/) 
 
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落下試験チャレンジ(水が入ったビン、皿、モーター、生卵)

採寸、箱づくりからスタート。ビン、皿はとにかく巻く

実験は、落下試験機を使って行います。高さは自由に変えることができ、今回は60cmから落とします。そして梱包箱の落とす向きを変えながら1角、3稜、6面の合計10回落とします。
 

 
まずは梱包箱づくりのために、モノの採寸をします。採寸をするときは、緩衝材を入れるスペースを考慮して測ります。例えば今回の場合、ビンの長さは28cmですが、梱包箱の長さは内寸35cmで作っていきます。(※内寸…箱を組んだときの内側の寸法)皿、モーターも同じように長さと高さを採寸していきます。
 
今回使用している梱包箱は、当社の包装設計サービスにて使用している、ダンボールやクッション材を切る機械「サンプルカッター(カッティングマシン)」で製作しています。先ほど採寸した製品の情報をもとにコンピューターで図面を作成し、マシンがカッティングをします。マシンの無駄のない素早い動きは思わず時間を忘れて見入ってしまいます。糊付けをして組み立てると梱包箱の完成です。
 
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①水が入ったビン
梱包は、ランパック社の紙製緩衝材システム「ジアミラップパック」で加工した紙製緩衝材を使ってビンをくるくると巻いていきます。割れやすそうな蓋の近くは厚めに巻きます。「ジアミラップパック」は商品保護とラッピングの両方を兼ねており、簡単で応用がしやすいです。また静電気が起こりにくいため電子部品にも使えます。
 
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緩衝材を引っ張ると、かんたんに切断できます。また、テープで止める必要はなく、製品に巻き付けてはみ出している部分を製品の形に沿って中に折り込むだけでラッピングが完成します。
 
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ジアミラップパックは、商品保護とラッピングの両方を兼ねているため、これだけで梱包箱とビンの隙間が埋まって中でビンが動かなくなります。果たして、落下時の衝撃を防いでビンを守ることはできるのでしょうか。
 
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結果:割れていません!合格!…と思った瞬間でした。坂柳氏の手からビンが滑り落ちます。  
 
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坂柳氏「割れるところでした(笑)」
運よく無事だったものの、取り出す際は気を抜いてはいけないと学びました。
 
②平皿4枚
皿を梱包する際も「ジアミラップパック」を使います。皿のラッピングは一枚ずつくるくると巻いていき、皿を重ねながら同じ作業を繰り返します。箱に入れると、皿と梱包箱の間に隙間がありますが、坂柳氏は「紙なので全部埋めると(使いすぎると)コストがかかってしまう。なるべく高さで、蓋をしたときにモノが動かないよう抑えつけるイメージで梱包すれば、隙間を埋めなくても緩衝能力は出せる」と話します。
 
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それでは落下させます!  
 
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結果:平皿4枚、1枚も傷つくことなく落下試験合格です!

重量物はガッチリ固定

③14㎏のモーター
モーターはランパック社の紙製緩衝材システム「パドパックPPC5」で加工した「パド」という縦長の紙製緩衝材を使って梱包します。この緩衝材の特徴は、2層の紙で作られた「パド」で20㎏を超える製品を保護することができ、固定材、包装材としても使うことができます。
 
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60cmから落下させたところ、14㎏という重さに何度試してもモーターのどこかに凹みができて、製品を守ることができませんでした。そのため、モーターは30cmからの落下に耐える梱包仕様に変更しました。「パドパックPPC5」で加工した紙緩衝材は、少し長めにカットした緩衝材を製品と一緒に梱包して、梱包箱からはみ出した部分を折り込むことで製品を固定させて使います。しかし今回、緩衝材を長くカットしすぎたため、坂柳氏は緩衝材をどう扱って梱包しようか悩みます。 
 
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細井が緩衝材をカットするか提案しますが、坂柳氏は「いや…。」と何か考えている様子です。また梱包方法について「上は緩衝材厚くして下は厚くなくても…。」と言う坂柳氏ですが、細井は落下したときの下への衝撃を危惧します。しばらくして坂柳氏が「いや、いいんだ。大丈夫。」と梱包方法を思いつきます。そして結局、上下で同じくらいの厚さになるよう緩衝材を縦に1本、横に2本で「キ」の字にセットしました。
 
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緩衝材を多く重ねたためモーターを入れるのに苦戦する坂柳氏。さらに緩衝材は分厚く、今回のように梱包箱からはみ出す部分が多くなってしまうと箱に収めるために丸める作業にも力が要ります。モーターの周りは緩衝材でしっかり隙間埋めし、中で動かないよう固定します。いざ実験です!
 
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結果:30センチからの落下試験、合格です!

梱包物の弱点、性質を見極める

④生卵
卵は「ジアミラップパック」で作った紙製緩衝材を使って梱包していきます。卵をどう梱包するべきか、またしても二人は悩みます。1個ずつ包装すると巻いた分大きくなって箱に収まらなくなってしまいます。
 
坂柳氏は「2個ならいけるかもしれん。2個ずつ包装していきます。」と、卵1個を緩衝材の中央から少しずらして置いて巻いていきます。ある程度巻いたら、卵をもう1個横に置き、さらに巻いていきます。
 
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細井は包装の様子を見ていて、卵を横に並べた時の頂点同士の緩衝力が弱く、ぶつかって割れてしまうのを不安に思います。そこで坂柳氏に卵を縦に並べて緩衝材を多めに巻いた方が、側面同士がぶつかった時の衝撃を低くできるのではないか、と提案します。
 
坂柳氏は細井の提案を受け入れ、卵を縦に並べて巻いていくパターンも試します。果たして、実験①として横に並べたパターンと、実験②として縦に並べた2パターンの緩衝力の結果はいかに…?
 
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実験①結果:卵を横に並べて巻いた場合、卵は2個とも無事でした!  
 
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実験②結果:卵を縦に並べて巻いた場合、1個割れてしまいました。  
 
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割れてしまった原因について坂柳氏は、「卵は側面が弱くて、頂点同士の方が強いから、側面を守る包装をしないといけない」と話します。つまり、梱包するものの性質や弱点を見極めて、それに沿った包装・梱包が必要になります。 

落下試験のまとめ

製品の大きさ、重さに合った紙製緩衝材の選定がポイント

・ビン、皿、モーター
いずれも紙製緩衝材と梱包箱のみで梱包は完成し、落下させても破損はない。
 
・軽量物
ビンや皿のような軽量物に対しては、紙緩衝材システム「ジアミラップパック」が適している。その際、梱包時にある程度隙間があっても、蓋をした際に梱包箱の上と下で中身を抑え込む梱包であれば破損することはない。
 
・重量物
14㎏あるモーターのような重量物は「パドパックPPC5」が適している。重量物は隙間があると中で製品が動いて破損の可能性があるため、しっかり緩衝材で固定した梱包でなければならない。
 
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今回の試験で使用したランパック社の紙製緩衝材システムは2種類ですが、他に3種類あります。製品の大きさ・重さに合わせた紙製緩衝材の選定がポイントになります。
 
▼ランパック社商品紹介ページを見る
https://toyocongroup.co.jp/products/paper/

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