ブランドと聞いて、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。
ルイ・ヴィトンやシャネルのような高級ブランド? それともトヨタやAppleのような有名企業?
私はブランドと聞くと、500円の白Tに「supreme」とロゴを入れるだけで1万円になるというイメージです(実際そんなわけはありません)。
普段から当たり前のように使っている「ブランド」という言葉ですが、いざ「ブランドって何?」と聞かれると、意外と説明が難しい気がします。わたしはそれなりに独学でマーケティングの勉強はしてきたはずなので、今回は難しい横文字とかなんちゃらの理論みたいなのを使わずに説明してみようと思います。
ブランドは企業のものではない
ブランドという言葉は、もともと家畜などに押していた「焼き印」に由来するそうです。つまり、もともとは他のものと区別するための目印だったわけですね。
現在でも企業名やロゴ、配色などはブランドを識別するための大切な要素です。
素人がブランドを考えるとき、真っ先に配色やロゴを新しく作りがちです。ええ、私にもそんな時期がありました。でも、ロゴを作って名前を付ければそれでブランドができたと言えるのかと問われれば…ノーですよね。
例えば、同じような商品でも、メーカーの名前を聞くだけで「品質が良さそう」「安心できそう」「ちょっと高そう」といったイメージが浮かぶことがあります。そのイメージは、企業が直接決めたものではなく、私たちがこれまで見聞きした情報や経験から形成されたものです。
ということは、ブランドとは企業が所有するロゴや名前そのものではなく、顧客の頭の中に形成されるイメージや認識なのではないか。そう考えると、少し見方が変わってきます。
ブランディングって何をしているの?
ブランドが顧客の頭の中にあるのだとしたら、企業が行う「ブランディング」とは何なのか。
おそらく、企業が「自分たちはこういう存在だと思われたい」と考える姿と、顧客が実際に抱いているイメージを近づけていく活動なのだと思います。
そのために企業は広告を出したり、ロゴやデザインを統一したり、自社の強みを言葉にして発信したりする。
ここでやりがちなのが「とにかく認知」戦法。
これ、名前を覚えてもらう為に商品名を連呼するようなもので…質の悪い選挙活動みたいなもんです。最も大事な「相手にどう思われたいか」「何を伝えたいのか」が抜けてるんですね。
そしてもう一つ大事なことは、企業は顧客が自分たちをどう思っているか本当に分かっているか、という事。
アンケートやインタビューで顧客の声を聞くことはできます。ただ、顧客自身が自分の考えを正確に言語化できるとは限りませんし、回答した内容が必ずしも本音であるとも限りません。
「価格が安いから選びました」と答えていても、実際には以前から知っているメーカーだったから安心して選んだ、なんてこともあるかもしれません。
昔から思わせぶりな態度の異性に何度も騙されたこの私、メルマガなどに対する応援メッセージや好意的な感想といった、表面上のホメ殺しなんて通用しませんよ!(実際は毎回小躍りしています)
で、ここで近年重要になってきたのが、デジタルマーケティングによる行動データの分析です。
IT技術のめざましい進化によりWebサイトの閲覧、検索、メールのクリック、購買履歴など、顧客が実際に何をしているのかを分析することで、言葉にならない関心やニーズを推測できるようになりました。
もちろん、商品ページを何度も見ているからといって、その商品が欲しいとは限りません。競合他社の調査かもしれませんし、単なる暇つぶしかもしれません。
つまり、行動データでも顧客の本音がすべて分かるわけではありません。妄信してはダメです。
それでも、顧客の発言と実際の行動を組み合わせることで、以前よりも顧客の姿を捉えやすくなったのではないかといえます。
企業が「何を言ったか」より、「顧客が何を体験したか」
企業がいくら「高品質です」「お客様第一です」と発信していても、実際に購入した商品がすぐ壊れたり、問い合わせへの対応が悪かったりすれば、顧客はどう感じるでしょうか。ハードルを上げた分、ガッカリ感も倍増ですよね。
逆に、大して広告を見たことがない企業でも、商品が使いやすかったり、困ったときに親切に対応してもらえたりすれば、その企業に対して良い印象を持つはずです。これまた逆に「自分が見つけた感」が働いて、好感度も倍増です。
これ、企業が何を伝えたかだけでなく、顧客が何を体験したかがブランドの形成に大きく影響するのではないでしょうか。この考え方が、最近のマーケティング界におけるUX(ユーザー体験)やCX(顧客体験)を重視する動きにもつながっているのだと思います。
UXにCX…ヨコモジは使いたくなかったけど、ここは許してほしいです(笑)
※UX(user experience )は主に製品やサービスを利用する際の体験、CX(customer experience)は購入前から購入後までを含めた顧客との接点全体の体験を指します。
もちろん、従来からある広告やデザインが不要になったわけではありません。
ただ、発信しているメッセージと実際の体験が一致していなければ、顧客の頭の中には企業の思い描いたブランドとは違うものができあがってしまうわけですね。
そもそも、自分たちは何者なのか
顧客の認識を企業の理想に近づけるのがブランディングだとしたら、そもそも企業自身が「自分たちは何者なのか」を理解していなければ、何を伝えればいいのか決められないのではないでしょうか。
例えば、ある企業の営業部門は「対応力が強み」だと言い、製造部門は「品質が強み」だと言い、開発部門は「技術力が強み」だと言う。
どれも間違いではないでしょう。それぞれがそれを強みとして日々業務に取り組んでいるわけですからね。
でも、それぞれの部門が自分たちの強みだけを発信していたら、顧客から見たその企業は、一体どんな会社になるのでしょうか。もちろん、複数の強みを持つこと自体は問題ありません。
大切なのは、それらが企業としての存在理由や提供価値と、きちんと結びついていることなのだと思います。
なぜ自分たちの会社が存在しているのか。
事業を継続する事でどんなメリットを顧客に与えられるのか。
そこが曖昧なままでは、いくらロゴを整えたり、立派なキャッチコピーを作ったりしても、伝えるべきブランドの核が定まらない気がします。困ったときは「私たちは何者なのか」と「企業理念」について考えてみるとヒントがあるかもしれません。
ブランドを作っているつもりが、顧客を置いてけぼりにしていないか
ここが一番重要かもしれません。
自社の存在理由を明確にして、伝えたいイメージを決めたとしても、それだけではブランディングは成立しません。なぜなら、そのイメージを受け取って、ブランドを形成するのは顧客だからです。
顧客のことを理解しようとせず、自分たちの理想だけを発信し続けていたらどうなるでしょうか。
企業が「こんなブランドに成長した」と満足していても、顧客は全然違う印象を抱いているかもしれません。むしろ私からしたら「自分たちだけで勝手に盛り上がっててキモい」とすら思うかもしれません。
顧客の認識を確かめようとしなければ、そのズレに気づくことすらできません。だからブランディングには、自社を理解することと同じくらい、顧客を理解することが必要なのだと思います。
顧客が何を求め、どう行動し、どんな体験を通じて自社を評価しているのか。
それを知ろうとしなければ、自分たちのブランドが実際にどう形成されているのかなんて、わかるわけないですもんね。
結局、ブランドって何なんだろう
「ブランド」とは本来とてもシンプルなものなのですが、いざコントロールしようとすると非常に難しいものです。
企業が自分たちの存在理由を明確にし、顧客に伝え、実際の事業活動やサービスを通じて価値を届ける。そして、その結果として顧客の頭の中に形成されるものがブランド。突き詰めてシンプルにするならば、まず大切なことは自社を知ることと顧客を知ること、かもしれません。
色々と頭の中を整理して書き出してみましたが、
ブランドは企業が作ろうとするものなのに、実際に存在するのは顧客の頭の中。
なんとも不思議な話ですね。ホーッホッホッホ
またまた笑ゥせぇるすまん的な感じで今日はここまで
つづく