先日、家で眼鏡を踏んで壊してしまいました。Amazonで同じものを注文し、翌日には手元に眼鏡が届く。いやー、本当に助かる。便利な世の中ですわー。
「いやいや待てよ…さすがに早すぎないか?」 ふと我に返って思った。
曲がりなりにも物流業界に身を置くものとして、これとんでもない事なんじゃないかと。
夜に注文した商品が、次の日には届く。どこかの倉庫から商品を探して、梱包して、運んで、自宅まで届ける。私が今の会社で営業やってた頃を思い出すと、翌日納品なんてあった日にはもう超大慌てでずっとサプライヤに電話して入荷調整したり、自ら車走らせて運んだりで、ちょっと寝込みたくなる記憶しか思い出せません。
それを考えると、翌日配送をスンッとこなしちゃうAmazonさんハンパねぇっす!というリスペクトと畏怖が抑えきれず、どうやって実現しているのか気になって調べてみました。
速さの秘密は、注文される前にある
Amazonでは商品を保管し、注文後のピッキング・梱包・出荷までを行う物流拠点をフルフィルメントセンター(FC)と呼んでいます。そして重要なのがこのFC、ただ商品を保管しているだけではないこと。
過去の注文などから需要を予測し、売れそうな商品をあらかじめ各地のFCへ配置しているそうなんです。つまり「注文されてから遠くの商品を急いで運ぶのではなく、注文される前から近くに置いている」ここが翌日配送の大きなポイントなんですね。この需要予測もまた昨今のAI進化によりアルゴリズムの精度がどんどん上がっていくんでしょう。
注文後はできるだけ早く配送網へ
注文が入ると、FCで商品をピッキング・梱包し、配送工程へ送られます。
AmazonのFCではロボットや自動化技術もガンガン使われており、棚を作業者のところまで運ぶなど、倉庫内の作業時間を短くする工夫も行われています。
FCから出た荷物は、配送拠点などを経由して、最後は自宅まで届けられる。この最後の区間が、いわゆる「ラストワンマイル」と呼ばれる区間ですね。Amazonは各地に配送拠点を設け、協力企業やAmazon Flexなども含めた社内外を使って巨大な配送網を構築しているそうです。
なるほど、なんとなくは知っていましたがキチンと調べてみると非常に無駄がない構造なんですね。
要するに
需要予測
→ 在庫を近くに配置
→ FCですぐ出荷
→ 配送拠点へ
→ ラストワンマイル
→ 翌日到着
という仕組み。「速く運ぶ」というより、商品が届くまでの距離と時間をどれだけ短く詰められるかに注力して出来上がった。みたいなイメージです。
ただ、ここで一つ新たな疑問が
これってかなりお金がかからないか?
全国に物流拠点を作り、在庫を持ち、配送網を維持し、ロボットやシステムまで導入する。
しかもAmazonプライム会員なら、対象商品のお急ぎ便などを追加料金なしで使える。
これ、どうやって成り立っているんだろう…赤字にならないんだろうか
ここからはただの私の個人的邪推になりますが、Amazonプライム(サブスク)の進化はここのコスト回収の為に進化したのではないかと考えました。
Primeはもともと配送が中心のサービスだった
今では動画や音楽などさまざまな特典があるPrimeですが、もともとは迅速な配送を追加料金なしで利用できる、などの会員サービスとして2007年に始まっています。
その8年後の2015年、今のように動画や音楽などの特典が追加されてPrime自体の価値が広がっていきました。元々は配送を中心として始めたサービスを、動画や音楽配信のサービスを融合させることで「エンタメコンテンツ」として生まれ変わらせ、もともとあった「配送無料」という価値をオプション的なポジションにしてしまうわけですよ。
こうすることでコンテンツの単価も上げることができますし、もちろん集客力も上がる。
配送サービスを単体で売るのではなく、Amazonを使い続ける理由の一つとして組み込んでいる、と言えますね。そこに、大量の商品を扱うことでの効率化や、ロボット・自動化によるコスト削減も重なって利益を生み出す構造が完成したのではないか、と。
正直、今回ちゃんと調べる前は、「Amazonは(気合と根性で)配送がものすごく速い」と心のどこかで考えてました。
でも実際は「売れそうな商品を近くに置き、すぐ出荷し、配送拠点をつないで、自宅まで届ける。」
この仕組み全体を作っており、距離を詰める(無駄を省く)も速さなんだなぁと感心しました。
NHKの教育番組を1本観たような感覚に包まれつつ今回はここまで
つづく
参考記事:アマゾンニュース
:アマゾンジャパンのこれまでの20年と、これからも変わらないDay One精神
:Amazonで注文いただいた商品がお客様のお手元に届くまで
:Amazon uses robots that sort, lift, and carry packages—see them in action