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「プロセスで、 せる」
LogiLab
Logistics
LogiLab(ロジラボ)は、トヨコンが取り組む“課題解決のプロセス”を分かりやすく整理し、価値として届けるためのプラットフォームです。

現場で生まれる気づきや改善の流れを記録し、共有することで、新たな発見や次の一歩につながる場を目指します。

LogiLab kids【広報イベントの価値最大化】#3

誰も間違っていない「間違った」イベント設計

誰も間違っていない間違ったイベント設計のイメージ
第2回では、トヨコンの広報イベントを振り返り、
三つの課題が明確になりました。
・イベントに参加はしているが、何が伝わったのかを把握できていないこと。
・環境への取り組みは伝わっていたが、自社価値がぼやけていたこと。
・体験が親にまで届いていなかった可能性です。
この回では、これら三つの課題が、なぜ発生したのかを考えていきます。
課題が見えても、原因が分からなければ改善の方向は定まりません。
ここでは結論を急がず、仮説として整理していきます。

【イベントに参加はしているが、何が伝わったのかを把握できていない】

イベントはその都度、予定どおり実施されていました。
事前準備も計画通り、当日も大きなトラブルやクレームはなく、現場として見ればきちんと回せている状態です。
イベント担当者は、自分が求められている役割を「きちんとイベントが回っている状態を保つこと」だと認識していました。
振り返りの場では、次回の段取りや改善点が議題になります。動線はどうだったか、人手は足りていたか。
一方で、体験の中身について改めて問い直す機会は、ほとんどありません。
議題の中心は「無事に開催できたかどうか」だからです。

それぞれがそれぞれの役割をきちんとこなしており、誰かの過失やミスがあったわけではありません。
ただ振り返ってみると、このイベントで何を残したいのか、どんな状態になっていれば成功と言えるのか、
そうした前提は最初から置かれていなかったようにも見えます。
何をフィードバックするかが決められていなければ、いずれ「とにかくやること」自体が目的になっていきます。

イベント参加の本来の目的である「何かを伝えたい」という意識が、最初から明確に置かれていなかったのではないか。
だから何が伝わったのかも、何が伝わらなかったのかも把握できていないのかもしれない。

これが、一つ目の仮説として浮かび上がってきます。

【環境への取り組みは伝わっていたが、自社価値がぼやけていた】

段ボールを使った体験は、分かりやすく、説明もしやすい。
子どもにも親にも受け入れられやすく、イベントとして扱いやすい形です。
準備や運営を考えたとき、説明に時間をかけなくても意図が伝わる選択肢は、自然と選ばれます。
紙を使えば環境への配慮は伝わる。それだけでイベントは成立します。

一方で、トヨコンがどんな仕事をしている会社なのか、物流の現場で何を考え、どう改善しているのかを語る場面は、
最初から用意されていなかったように見えます。

SDGsは、本来であれば自社を表現するための手段だったはずです。それがいつの間にか「SDGsを説明する」こと自体が前に出ていた。
そんな捉え方もできそうです。これが、二つ目の仮説です。

【体験が親にまで届いていなかった可能性】

地域イベントの主役は、子どもであることが多くあります。
子どもが来て、手を動かし、楽しむ。それによってイベントは成立します。
親は多くの場合、子どもの横で様子を見ています。
「子どもが楽しんでいれば、親はそれでいい」
いつの間にか、そんな安直な前提が我々の中に置かれていたのかもしれません。

もちろん、楽しむ子どもの姿を見ること自体が、親にとって良い体験になる場面も多くあります。
ただ、それだけでは物足りないと感じる声があるのも事実です。
広報イベントは、私たちが何者であるかを伝える機会です。
それを伝える相手は、子どもなのでしょうか。それとも、大人である親世代なのでしょうか。

それを考えた時、子どもはイベントに来てもらうためのキーとなる存在で、
親はイベントの内容を家庭やコミュニティに持ち帰るキーとなる存在。
親が体験の外に置かれていたならば、我々が何者であるかの理解が広がらなかったとしても不思議ではありません。
これが、三つ目の仮説です。

それぞれの課題について原因を考えてみると、要素で見ればどれも間違った判断から来たものではありません。
それら一つ一つはそれぞれ正しい目的のもと行われてきた結果だったように見えます。
しかしそれが全体として見た際にミスマッチを生み出し、結果として課題として表出しているように思えます。
そう考えると、それぞれ違う課題ではありますが、
「イベント価値を考える役割の欠如」
という一本の原因の流れにつながります。

では、この前提を見直したとき、広報イベントはどんな姿になるでしょうか。
次回は、ここを起点に、改善の方向を考えていきます。