── 私たちはなぜ “プロセス” を発信するのか?
トヨコンには、長年大切にしてきた経営理念があります。それは「価値の創造」。
この言葉は多くの社員に浸透し、会社の方向性を示す灯台として機能してきました。
しかし、理念がどれほど立派でも、それが日々の行動とどう結びつくのかが曖昧なままでは、私たち社員は迷いを抱えてしまいます。ここにひとつの課題がありました。
理念と現場の行動をつなぐ“ブランド”が欠けていたのです。
ブランドとは、会社が何者であり、どんな価値を提供する存在なのかを示す軸です。
私たちにはその軸が十分に整っておらず、「価値の創造」という大きな言葉が、具体的な判断基準や行動につながりにくい状況がありました。
そこで私たちは、原点に立ち返りました。
机上の議論ではなく、まず現場の声を聞くべきだと考え、顧客に最も近い営業メンバーに問いかけました。
「トヨコンは、どんな会社だと思いますか?」
返ってきた答えは驚くほど共通していました。
“私たちは、顧客の課題を解決する会社です。”
表現こそ違っても、その核心は同じ。ここにトヨコンの本質がありました。
では、「課題を解決する」とは何を指すのでしょうか。
単に問題を取り除くだけではありません。
背景を理解し、相手の視点に立ち、原因と結果を整理し、適切な方法を考え、わかりやすく伝え、実行し、検証する。この一連の思考と行動の積み重ねこそが、私たちの“課題解決力”の正体です。
そして気づいたのです。
課題解決力とは「成果」そのものではない。
成果に至るまでの“プロセス”こそが、最も価値を持っているのだと。
世の中には成功事例を並べる企業が数多くあります。
もちろん成果には意味があります。しかし成果だけでは、その裏側にある思考や工夫や試行錯誤は見えません。
再現性も学びも、実はプロセスの中にあります。
だからこそ、私たちは「課題解決のプロセス」をロジラボというブランドコンテンツとして発信することを選びました。そのために、まずは現場で自然に行われてきた流れを誰でも使える“4つの型”に整理しました。
1. 気づき(問題の確認)
困りごとや不便を、まず“事実として”はっきりさせます。
何が起きているのか、誰に影響しているのかを具体的にします。
ここが曖昧なままだと、その後の判断がすべてブレてしまいます。
1. 気づき(問題の確認)
困りごとや不便を、まず“事実として”はっきりさせます。
何が起きているのか、誰に影響しているのかを具体的にします。
ここが曖昧なままだと、その後の判断がすべてブレてしまいます。
2. 原因の探究(なぜ起きたのか)
表面の理由で終わらせず、本当の原因を掘ります。
思い込みを外し、複数の可能性を比べ、「どこを変えれば状況がどう動くのか」を見つけます。
ここが課題解決における最重要ポイントです。
3. 二段構えの改善策設計(根本と対症)
仕組みを変えて問題が起きないようにする「根本改善」。
避けられないリスクを抑える「対症療法」。
この2つを分けて考え、コスト・手間・再現性を基準に実行可能な形へ落とします。
課題の性質に応じて“二段構え”で設計することがポイントです。
4. 実施と検証(結果の確認)
実際に動かし、数字や事実で効果を測ります。
たとえ改善がうまくいかなくても、それは原因や方法が一歩整理できたという前進です。
必要に応じて前のステップに戻り、精度を高めていきます。
この4ステップは、私が営業時代に長年積み重ねてきた経験を“誰でも扱える型”として言語化したものです。
ロジラボの記事はすべて、この型を土台に構成していきたいと考えます。
ロジラボは、課題解決の“成果”ではなく、その“過程”を見せる場所です。
私たちがどんな課題にどう向き合い、どんな視点で原因を探し、どんな工夫で解決に挑んだのか。
その思考の流れを公開し、トヨコンの価値をみなさまに伝え、同時に社内にもその反応を逆輸入していく。
それがロジラボの役割です。
そしてロジラボには、もうひとつ大切な意図があります。
私たち社員に対しては、トヨコンが日々行っている課題解決のプロセスを“見える形”にすることで、
無意識ではなく意識的に自分たちの強みに気づき、その精度を高めるきっかけになってほしいと考えています。
一方で、今この文章を読んでくださっているみなさまには、このプロセスに価値を感じ、
「一緒に自社の課題を見てほしい」とご相談いただくことで、
トヨコンとみなさまがともに価値を生み出す“価値共創”へとつながっていく未来を願っています。
ロジラボは、社内の成長と社外との共創を同時に実現するための入り口です。
そして次回から始まる「第一弾 ロジラボキッズ」では、課題解決のプロセスを“親子で楽しめる体験”として形にします。
イベントづくりの裏側、試行錯誤のリアル、当日の様子までを全8回でお届けします。
ロジラボの物語は、ここから始まります。