皆さんの身近にある、気泡緩衝材。手に取るとついつい「プチッ」とつぶしたくなってしまいますよね。今回はこの気泡緩衝材について、いろいろな基準で見た種類をご紹介したいと思います。
気泡緩衝材にはいろいろな呼び方があります。実は、気泡緩衝材を作るメーカーそれぞれの登録商標名なのです。
代表的なものが、「プチプチ」。こちらは川上産業で製造する気泡緩衝材の商標です。もともとは「エア・バッグ」という商品名でしたが、1994年に商品名を変更、今の「プチプチ」という商標となりました。
ほかにも酒井化学工業の「エアーキャップ」「ミナパック」、JSPの「キャプロン」、和泉の「エアセルマット」など、各社で商標があります。
各メーカーでは、さまざまなグレードの気泡緩衝材を製造しています。グレードの基準となる、構造や強度には3つの分類があります。
気泡緩衝材には2層のものと3層のものがあります。
一般的に最も多く使われているのは2層構造で、気泡の凹凸が表面にあるものです。しなやかで軽く、屈曲性がいい点と緩衝力に優れている点が特徴です。
3層構造のものは、さらに1層のパックを重ねたもの。両面がフラットに仕上げられており、裏表を意識せずに使うことができます。層が多いことで高い強度を持つため、繰り返しの利用にも適しているといえるでしょう。また、表面が滑らかで作業性にも優れます。
粒の大きさにも種類があります。
メーカーにより、粒の大きさは7mmから32mmほどまでさまざまですが、一般用途として最も多く使われているのは、ひとつの粒が10mmのものです。
粒が7mmの気泡緩衝材はしなやかさに優れ、お菓子の保護材や軽量物の梱包によく使われる、一番なじみのあるタイプです。20mmや32mmのものは粒形状が大きく、商品のかさ上げ、箱の中の充填剤としても使われます。
各メーカーでは、粒の強度によってもさまざまな設定があります。
フラットな部分のシート、気泡部分のキャップ、これらを形成するPE(ポリエチレン)素材の厚さにより、粒の強度、コシ、中の空気の漏れにくさが変わります。
粒強度が高いものはPE素材が厚く、コシがあり、空気が漏れにくいなど強度全般に優れますが、しなやかさはなくなり価格が高くなります。
逆に粒強度が低いものはしなやかさを持ち、価格も安いという特徴があります。
最後に、特殊な用途に使われる気泡緩衝材を見てみましょう。
今や世界中のいたるところで使われている、気泡緩衝材についてご紹介しました。このように気泡緩衝材は、包む対象の特性に合わせた保護性能を持つものや、断熱材として活躍するものもあります。気泡緩衝材は、あらゆるものを優しく包み込む、最も身近な緩衝材といえるでしょう。
参考: