レポート#5:毎日使うから使いやすさで選びたい!テープカッターをとことん研究
梱包作業の工程には、テープ貼り作業があります。第一回目のトヨコンラボでは、OPPテープの梱包強度を研究しました。その際、研究員たちはテープカッターを使わずに研究しており、テープの切れ端が見つからずにモタモタ、テープの切り口が汚い、勢いよく引っ張ったらテープが手から滑り落ちちゃった、などテープカッターなしでの作業は不便でした。そこでトヨコンラボ第二回目の今回は、テープカッターをとことん使って、その使い心地を研究していきます!
目次
・研究内容
・テープカッター紹介
・研究―1.取り付け時間・作業比較
2.連続梱包
3.気泡緩衝材梱包
4.長物梱包
・研究まとめ
研究内容
6つのテープカッターの使い心地を、4つの作業に分けてレビューします。
1.取り付け時間・作業比較
テープを付け替える作業をして、かかった時間を測る。
2.連続梱包
5つのダンボール箱の蓋を連続でテープ留めしていく。
3.気泡緩衝材梱包
小物を気泡緩衝材で包む際のテープ留めをする。
4.長物梱包
1m以上の長物を梱包して、蓋をテープ留めする。
テープカッター紹介
まずは、テープカッターを持った時の率直な感想を言い合っていきます。用意した6つのテープカッターはカバー部分の幅、カバーの開き具合など様々です。
6つのテープカッターを一つ一つ触ってみた結果、トヨコンラボ的に2種類に分けられました。中央にあるロックでテープを固定する「内側ロックタイプ」と、ロックがなく手で押さえてテープを固定する「手持ちロックタイプ」です。
今後、この2つのタイプに分けて研究を進めていきます。
次に、テープカッターを触って作業シーンをイメージしていきます。
内側ロックタイプに対して、
高柳「バネにロックされているから、テープを付け替えるにはバネを内側に押さないといけないんだ。一日に何本も使う現場では毎回のロックが面倒かな。」
と少しの手間が気になります。
手持ちロックタイプに対しては、
高柳「バネがないからサッと抜ける。」
とテープの付け替えやすさを実感します。
「内側ロックタイプ」はテープ付け替え時にロックを外す作業が面倒に感じる一方、「手持ちロックタイプ」はすぐに付け替えができるため、頻繁にテープを使う現場で使いやすそうだと感じます。
作業シーンがイメージできたので、実際の作業を想定して研究を始めていきます。
研究
1.取り付け時間・作業比較
テープを頻繁に使う現場では、付け替え作業も多く、その作業に時間がかかってしまうのは避けたいところです。はじめに、テープをセットするまでにはどのくらいの時間がかかるのか、また、作業のやりやすさを研究します。
結果
内側ロックタイプのCが最も早くテープをはめることができました。一方、手持ちロックタイプのFは時間がかかってしまいました。
CとF以外のテープカッターではタイムに大きな差は出ませんでした。そこで、CとFの結果にそれぞれどんな要因があったのか見ていきます。
要因の一つとしてそれぞれのテープカッターは、テープの通し部分が3種類に分けられることが分かりました。
まず、両側ストッパーのCは、ストッパー部分へテープが通しやすく、また、テープを本体へ入れる際にも、かんたんにロック部分にはまり、最も早く付け替えができました。
そして全体ローラーのFは、ローラーの間にテープを通すというひと手間があり、ローラーにテープがくっついて通しづらく、付け替えに一番時間がかかってしまいました。
要因の2つ目としてカバー部分の広がりでもタイムに影響が出ることが分かりました。カバーの広がりが狭いEは、タイムが早いCと同じ両側ストッパーですが付け替えづらさがありました。
まとめ:ローラーがついているタイプはローラーの間に通すのに時間がかかる。
テープがローラーにくっついてセットしにくい。
テープ通し部分では、ストッパータイプの方がセットしやすい。
2.連続梱包
次の研究は、5つのダンボール箱の蓋を連続でテープ留めしていきます。同じ大きさのダンボール箱を連続で梱包する作業は体力もスピードも必要です。疲れず、早く作業できるテープカッターはあるのでしょうか。
結果
この研究で最も使いやすいテープカッターは、AとFでした。
使いやすさの違いにはどんな要因があるのか見ていきます。
まず、一つ目の要因としては、テープを切る際の力の有無に差がありました。この研究で作業しやすいAとFは少しの力で切ることができますが、作業しづらいBは切るときに力が要ります。違いを比べるため刃をよく見ると、刃の細かさ、溝の深さに違いがあります。ここで、刃が細かく鋭いテープカッターは少ない力でテープを切ることができると分かりました。
また、内側ロックタイプで上にカバーがないBを使った際、
細井「…ん?あ、こっちか!カバーがないと持つ時にどっちが上なのかわからなくなっちゃいますね。」
と、机に置いて次に使う際に、どちらを上に持っていいのか、迷ってしまうことがありました。
さらに、両側ストッパーのB、Cはローラーがついていない分テープの滑りが悪く、スムーズに引っ張れません。
次にCを使っていると、
細井「あれ?…いま一瞬テープがストッパーから外れちゃいました。」
このように、両側ストッパータイプはテープが外れやすかったです。Cは付け替え時間の研究で一番速いタイムでしたが、それはつまり作業中に外れやすいともこの研究で言えます。
カバーがないテープカッターを使った後に、カバーがある手持ちロックタイプのFを使うと、カバーがないものに比べて上下の判別がしやすく、使いやすさを実感します。またスムーズに引っ張ることができ、テープを切る際も少しの力で切ることができます。
まとめ:ストッパーとテープの通り道が広いとテープが外れやすい。
手持ちカバーがないと上下が判別しづらく使用時に迷う。
刃が細かいとテープを切りやすいが、先が丸くて溝が浅いと切りにくい。
3.気泡緩衝材梱包
テープ留め作業はダンボール箱の蓋を閉じるだけではありません。次は、小物を気泡緩衝材で包む際のテープ留めをします。
結果
AとFが最も使いやすく、BとCは使いづらいと感じました。しかし、どのテープカッターも大きくスピードに差が出ることはありませんでした。
連続梱包の研究結果同様、テープを引っ張る時と切る時の軽さがカギとなり、作業のやりやすさが左右されました。その点、片側ローラーのAは軽く引っ張ることができ、小さい力で切ることができます。
両側ストッパーのB、Cはテープを引っ張る力が要る上、切る力も要ります。
連続梱包の研究で最も使いやすかった全体ローラーのFは、この作業でも同じでした。あまりにもテープが軽く切れたことに驚き、刃の切れ味が重要だと実感します。
まとめ:刃が細かく切りやすいものが作業しやすい。
どのテープカッターを使ってもスピードに大きな差は出ない。
4.長物梱包
最後に、1m以上の長物を梱包し、ダンボール箱の蓋をテープ留めしていきます。梱包作業では、小さいダンボール箱もあれば長く大きなダンボール箱もテープ留めします。引く動作が大きいとき、どんなテープカッターが使いやすいのでしょうか。
結果
使いやすさは連続梱包の結果とほとんど同じ結果になりました。Aが最も使いやすく、BとCは使いづらいと感じました。
ここでも、連続梱包、気泡緩衝材の結果同様テープを引っ張るときの軽さと刃の切れ味が重要になりました。
テープを引っ張るときの「ビー!!」という大きな音が気になるものがありました。B、Cは、静かな作業現場で使う際に気を遣ってしまいそうです。
全体ローラーのFは、刃の切れ味は良い一方、引っ張るときに少し重みを感じます。
そこで軽い力で引っ張れるテープカッターの見た目を比べてみます。
高柳「何が違うんだろう?」
細井「ローラーが2個と1個ですね。」
高柳「ほんとだ!2個の方が抑えが効くから重いのか。」
と、引っ張る力が最も軽いEと比べると、ローラーに違いがあることが分かります。Eはローラーが1個で、Fは2個あることから、ローラーが2個ある方が引っ張る際に力がいるようです。
まとめ:テープを引く動作が軽く、切りやすい刃が重要。
引く動作が長い分大きな音が気になる。
研究まとめ
梱包作業で作業性の良いテープカッターにはこのような共通点がありました。
・ローラーがついていてテープを少ない力で引っ張ることができる
・刃が細かくテープを切りやすい
今回の研究で使用した6つのテープカッターでは、AとFが最も使いやすかったです。
人力で作業することが多い梱包作業では、ちょっとした差で作業の時間短縮や作業される方の疲労の具合が変わってきます。気持ちよく毎日働くために、引き続き、現場作業の周りで起こるあらゆる「困った」を解消するべく、とことんトライしていきます!
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