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搬送装置の活用で生まれるメリットとは―代表例やメリットをご紹介

搬送装置の活用で生まれるメリットとは―代表例やメリットをご紹介

 
物流やものづくりの現場では、さまざまな種類の搬送装置が活躍しています。搬送装置は、物流や製造の現場においてどういった役割を持っているのでしょうか。搬送装置の目的、代表例や使用することで生まれるメリットなどをご紹介します。

物流とものづくりを支える搬送装置

搬送装置の「搬送」は、「何かを運び送ること」を意味します。では、物流やものづくりの現場において、搬送装置はどういった意味を持っているのでしょうか。

搬送装置とは

搬送装置は、ものづくりや物流の現場で使われる製品や材料を移動させるための装置です。ひとくくりに「搬送装置」として扱われることも多いですが、これは目的ごとに3種類に分類ができます。
 
 ①人(場所)から人(場所)へとモノを移動する搬送装置
 ②人(場所)から機械へとモノを移動する搬送装置
 ③機械から人(場所)へとモノを移動する搬送装置
 
1つ目は、物流における搬送そのものを目的とした工程や、製造における加工工程の間での搬送工程で使われるものです。2つ目と3つ目は、製造工程において機械へとワークを投入・設置する役目、または、機械によって加工を終えたワークを取り出す役目で使われるものです。それぞれローダーやアンローダーと呼ばれることもあります。
 
このように搬送装置は、「モノを搬送する」という行為自体は同じでも幅広い目的で使われています。

搬送装置とマテハンの違い

搬送装置と混同されやすく、同様に物流や製造の現場で使われる装置・機器としてマテハン機器があります。マテハンは「マテリアルハンドリング」の略で、モノの移動に関する全般を表します。マテハン機器は、このマテハンのために使用する機器のことです。

マテハンは実際にモノを運び送るためだけでなく、モノの移動に関連するさまざまなことを含みます。そのため、モノの仕分けや保管、情報整理のために使われる機器などもマテハン機器として扱われます。例えば、人が運転して荷物を運ぶフォークリフト、荷物の情報を判別し整理するためのバーコード読み取り装置などもマテハン機器に含まれます。

一方、搬送装置はモノを自動的に移動させる装置を指す場合が多く、マテハン機器の一種と考えられています。このように考えると、マテハン機器は搬送装置を内包し、それぞれは次のような意味があります。 

 ・モノを移動させるための機器・装置のうち、広い意味で全般を指すのがマテハン機器
 ・その中で特に省力化・省人化を目的として使われる装置が搬送装置

マテハン機器についてはこちらで解説しておりますのでご覧ください。
物流業務省力化の強い味方「マテハン機器」って何?|トヨコン

搬送装置の種類と代表例

搬送装置は製造業・物流業だけでなく多岐にわたる分野で使われ、その中には多くの種類があります。代表例としては次のようなものがあります。

コンベヤ

モノを搬送するという目的そのもののために生まれた装置がコンベヤです。製造業における材料の入庫から製造ラインでの製品の搬送、倉庫への保管や出荷、物流センターでの仕分け工程や荷役工程など、幅広く使われています。
 
コンベヤの中には、ベルトコンベヤとローラーコンベヤがあり、一般的にベルトコンベヤは電動でベルトを動かしその上に載っているものを搬送します。ローラーコンベヤは、連結したローラーを電動で回転させるものと、傾斜によってローラーの上を滑走させるものとがあります。
 
コンベヤは最も広く普及している搬送装置の代表例と言えます。

シューター

シューターは、単純にモノを滑走させる滑り台のようなもので、上を滑らせてモノを搬送します。滑走させるためには傾斜が必要なため、高低差を作る必要がありますが、動力を必要とせず価格も安いというメリットがあります。また、モノを載せる面に隙間がないため、小さなモノもこぼさずに搬送できるという点も特徴です。
 
それらのメリットを組み合わせるため、モノをシューター上に載せたあと、シリンダーの動きによって傾斜をつけるような自動シューターもあります。ローラーコンベヤを用いて組み立てた搬送装置も、シューターと呼ばれることがあります。

リフト

横方向の搬送を主目的とするのがコンベヤであれば、リフトは縦方向の搬送を主目的とするものです。ローラーコンベヤやシューターによって失った高さを補うために使われたり、搬送ラインの段差を解消するために使われたりします。こういった、高さに関する課題を解決する搬送装置と言えます。
 
コンベヤ、シューター、リフトのどれもが、人がいる場所から人がいる場所への搬送、人から機械、機械から人の3つの目的でそれぞれ使われています。

横走行式取り出し機

大型の加工機械によって加工された製品を、自動で取り出すための装置です。奥行方向の走行レール、横方向の横行レール、上下方向の昇降レールの3軸によって、可動部は3次元的な移動が可能な仕組みとなっています。この先端に取り付けた、エアー吸着パッドやシリンダー装置などを備えたハンドリングツールによってモノをつかみます。
 
金型を使用するプレス加工やプラスチック射出成形機など、連続成形中に安全扉を閉じたまま、機械の上からモノを取り出す必要がある機械で使われています。

搬送ロボットアーム

モノをつかんで移動させるという、従来は人の手で行っていた作業を、機械が変わりに行うのが搬送ロボットアームです。パレットからワークをつかみ取って箱詰めしたり、ランダムな向きで供給される部品や容器を整列させて置いたりといった作業が可能です。段ボール箱を決まった向きや配置でパレット上に並べるパレタイザーも、広く使われている搬送ロボットアームの1つです。

AGV

AGVは「Automatic Guided Vehicle」の略で、日本語では無人搬送車と呼ばれます。台車のように上にモノを載せて運ぶ積載形や、駆動力のあるけん引車によって、多数の台車やトレーラーをけん引するけん引形などがあります。移動手段として最初に導入が進んだのは、磁気テープや光反射テープに沿って移動する、経路誘導方式です。その後、人を自動で追従する追従方式、自己位置推定機能と走行制御機能によって、自律的に走行する自律移動方式などが開発され、普及が進んでいます。
 
近年大型の物流センターで活躍している、棚を持ち上げて作業者のもとまで運ぶ自動搬送ロボットAMR(自律走行搬送ロボット)も、AGVに含まれます。

搬送装置導入によるメリット

搬送装置を導入し活用することで、次のようなメリットがあります。

搬送作業時間の効率化

搬送装置を使うことで、人の手による搬送では時間がかかっていた作業を効率化できます。コンベヤを使った搬送では、1台のコンベヤに同時にいくつものワークを載せて運べるため、1つずつ運ぶのに比べ、大幅に時間効率が向上します。また、コンベヤの自動断続運転によって人の場所に届くタイミングを調整することもでき、作業サイクルの効率化も可能です。

自動化による省力化・省人化

搬送装置によって搬送工程を自動化でき、搬送工程にかけていた作業量を低減、重量物の運搬での負荷を削減できます。これにより、省力化・省人化を進められます。

作業の標準化

搬送装置を活用することによって、決まったルート上を決まったタイミングで、搬送することが可能となります。これにより、搬送作業の標準化を図れます。

人為的ミスの防止と品質安定

人の手で運んでいた場合に起こりうる破損や、搬送先の間違いといったミスは、搬送装置を使うことによって防止できます。機械によって毎回同じ作業を繰り返すことができ、品質の安定化にもつながります。

安全性の確保

人が行う場合に危険が伴うような作業を、搬送装置によって行うことで、作業者の安全を確保できます。例えば、モノを粉砕装置へ投入する場合には、直接人が手で投入するのではなく、搬送装置を介して投入することで安全性が大幅に向上します。

スペースの有効活用

モノを人が運搬する場合、通路の確保が必要です。しかし、上空や人の通路確保が難しい場所に搬送ラインを設置することによって、地上に通路を作ることなくスペースの有効活用が可能になります。

物流とものづくりの現場を支える搬送装置

搬送装置の概要と種類、搬送装置を活用することのメリットなどをご紹介しました。
 
搬送装置はものづくりや物流の現場で使われ、自動化による効率化だけでなく、安全確保や品質安定の面でも大きな意味を持っています。現場の効率化を、搬送装置の種類の見直し、搬送ラインの再設計の方向から検討してみるのも、改善の有効な手段です。
 

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参考:

 ・搬送装置の種類やメリット紹介!おすすめメーカー5選|ロボットSIerの日本サポートシステム

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